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新潟哲学思想セミナー
回帰するパラドクス──第二アンチノミー証明・考

『カント──世界の限界を経験することは可能か』 第2回 新潟哲学思想セミナー
    NiiPhiS (Niigata Philosophy Seminar)

回帰するパラドクス
 ──第二アンチノミー証明・考

講師: 熊野 純彦 (東京大学教授)

日時:2009年7月21日(火)18:00~19:30
場所:新潟大学 人文社会学系棟 第一会議室(B-221)

ポスター(PDF)はこちら


カント『純粋理性批判』(1781/87)におけるアンチノミー論とは、世界の起源や人間の自由意志といった、人間理性にとっての究極的な問いをテーマに、テーゼの証明とアンチテーゼの証明とが対立して、たがいに壮絶な論駁をくりひろげるものです。そのなかでも第二アンチノミーでカントは、物質の無限分割の問題に即して、事物の究極的な構成要素を問うています。

第2回目の新潟哲学思想セミナーは、講師に熊野純彦氏をお招きします。『純粋理性批判』全体の問題構成を射程に入れながら、とりわけ第二アンチノミーの証明で展開される「人間精神の恐ろしい自己格闘」(埴谷雄高)をスリリングに読み解き、カント哲学のダイナミズムを鮮やかによみがえらせるセミナーになります。

熊野氏の綿密かつ大胆な哲学的思考をじかに体感する貴重な機会ですので、ぜひご来場ください。


◎ 講師プロフィール
熊野純彦(くまの・すみひこ)。1958年神奈川県生まれ。専門は倫理学。東京大学大学院人文社会系研究科教授(倫理学専門分野)。著書に、『レヴィナス入門』(ちくま新書、1999年)、『レヴィナス──移ろいゆくものへの視線』(岩波書店、1999年)、『ヘーゲル──〈他なるもの〉をめぐる思考』(筑摩書房、2002年)、『カント──世界の限界を経験することは可能か』(NHK出版、2002年)、『差異と隔たり──他なるものへの倫理』(岩波書店、2003年)、『戦後思想の一断面──哲学者廣松渉の軌跡』(ナカニシヤ出版、2004年)、『メルロ=ポンティ──哲学者は詩人でありうるか?』(NHK出版、2005年)、『西洋哲学史──古代から中世へ』『西洋哲学史──近代から現代へ』(岩波新書、2006年)ほか、訳書にレヴィナス『全体性と無限』上・下(岩波文庫、2005/06年)、レーヴィット『共同存在の現象学』(岩波文庫、2008年)、など。

◎ 新潟哲学思想セミナーとは
(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])
今年度より新潟大学の若手哲学研究者を中心として立ち上がった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的に活躍されている講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会
お問い合せは城戸まで

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2009年7月21日 18:00に投稿されたエントリーのページです。

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