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カール・レーヴィットと「二階建て」の日本 ── 間文化性への一つの寄与

芸術の条件

第6回 新潟哲学思想セミナー [NiiPhiS]

カール・レーヴィットと「二階建て」の日本
──間文化性への一つの寄与
講師 小田部胤久(東京大学教授)

日時 2010年7月8日(木) 18:10~19:40
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス 人文社会学系棟 第一会議室 (B棟2階)

芸術の逆説

1936年、ナチスによってドイツを追われたレーヴィットは、東北大学に招聘され、哲学と独文学の教師としての4年余りを過ごした。その体験を踏まえて、レーヴィットは次のような鋭い批判を日本の読者に投げかける。日本人はまるで「二階建ての家に住んでいるようなもので、階下では日本的に考えたり感じたりするし、二階にはプラトンからハイデッガーに至るまでのヨーロッパの学問が紐を通したように並べてある。そして、ヨーロッパの教師は、これで二階と階下を往き来する梯子はどこにあるのだろうか、と疑問に思う。」(『ヨーロッパのニヒリズム』)

 第6回の新潟哲学思想セミナーは講師に小田部胤久氏をお迎えします。ヨーロッパと日本、その間文化性の問題は、近代日本をつらぬき、今日でもわたしたち自身に課せられている問いです。国際的に著名な美学者である小田部氏の今回のセミナーによって、この問いをめぐって射程の深い洞察を共有することができるものと思います。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。

◎ 講師プロフィール
小田部 胤久(おたべ たねひさ) 1958年、東京生まれ。東京大学文学部卒、同大学院人文科学研究科、ハンブルク大学哲学科に学ぶ。博士(文学、東京大学)。神戸大学助教授、東京大学助教授を経て、現職。専門は美学(18世紀から19世紀初頭にかけてのドイツ語圏を中心とする美学理論)。著書に『象徴の美学』(1995年)、『芸術の逆説──近代美学の成立』(2001年)、『芸術の条件──近代美学の境界』(2006年)、『西洋美学史』(2009年)(いずれも東京大学出版会)ほか。

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは

昨年、新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会

お問い合せは城戸まで

→ ポスター(PDF)はこちら

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2010年6月28日 18:46に投稿されたエントリーのページです。

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