シンポジウム「世阿弥と佐渡の能楽」開催のお知らせ
平成22(2010)年8月28日(土)に、佐渡市の金井コミュニティーセンター1階ホールにて、新潟大学人文学部・佐渡市教育委員会連携協定調印記念シンポジウム「世阿弥と佐渡の能楽」を開催致します。詳細については以下をご覧下さい。遠方での開催ではございますが、皆さまのご参加をお待ちしております。
- 開催趣旨
- 平成21年(2009)は、吉田東伍校注『能楽古典 世阿弥十六部集』が刊行された1909年から100年目の年であった。世阿弥が配流の地、佐渡で執筆したとされる『金島書』も、同書の中に含まれており、同書は佐渡時代の世阿弥を窺うことのできる数少ない史料と考えられている。 佐渡の能楽は江戸時代初頭に伝えられて以来、隆盛を極め、その伝統は現代まで受け継がれている。このような佐渡の歴史や芸能に憧憬の思いを抱き、近世以来、島外から多くの芸能者が訪れ、刺激をうけて様々な創作活動が行われてきた。 新潟大学人文学部では、教育・研究・地域貢献を通して地域との連携を深めるために「佐渡学部門」・「グローカル新潟発見部門」・「地域映像アーカイブ部門」からなる学部付置の「越佐・新潟学推進センター」を立ち上げ、平成22年3月には佐渡市教育委員会との間で連携協定を締結した。ここに連携協定調印を記念して、世阿弥と佐渡の能楽に関するシンポジウム等を開催し、世阿弥と佐渡の問題や、現代に息づく佐渡の能楽について考えたい。 午前の部では、「現代に息づく佐渡の能楽-上映と実演を通して-」として、佐渡の方々のご協力のもとに創作された能『トキ』の制作過程を描いた三宅流監督のドキュメンタリー作品『朱鷺島−創作能「トキ」の誕生』(2006年)を上映し、引き続き能楽を授業に取り入れている佐渡中等教育学校の皆さんによる素謡、また部活動を通して継承している真野中学校の生徒さんによる鷺流狂言を演じていただく。 午後のシンポジウム「世阿弥と佐渡の能楽」では、能楽研究者小林責氏、歴史学研究者今谷明氏、能楽研究者天野文雄氏をお招きして、世阿弥の能と配流の問題、佐渡における能楽の隆盛等について、最新の研究成果をご紹介いただき、続いて行われる討論を通して現代における佐渡の能楽の意義について考えていきたい。