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社会行動論: 履修コース紹介

自分の存在を創り出す他者との関係とその意味

個々の人間はどんなに親しい友人や肉親とも別の存在であり,徹底的に孤独な存在です。しかし「自分」は他の人間との呼応によりはじめて存在しうるのです。社会とは他者との呼応の関係であり,このような関係を社会行動論では探究します。

社会行動論履修コースとは

社会行動論履修コースでは,社会学と文化人類学を学びます。どちらも人間がつくりあげる社会について実証的に考察するものです。

社会学は人と人との関係性に注目して社会のさまざまな現象を読み解き,その仕組み,そこを生きる人々について考えることを目指します。自分とは何か,他者とは何か,ますます不透明になっているのが現代社会の状況です。これまで信じられていた社会制度,モデル,規範などが通用しなくなったためで,自分の居場所,そしてそれを取り巻く社会のあり方を見つめ直すことが今,求められています。家庭,学校,職場,マスメディア,人と人とのコミュニケーション等,さまざまな領域において,制度や仕組み,歴史と現状,人々の取り組み,生き様,アイデンティティなどを分析・考察していきます。

文化人類学は,一般に私たちの社会とは異なる社会を理解しようと試みます。世界中にはさまざまな文化があります。そして,これからはますます多様で異質な文化と出会い,理解していく力が求められます。たとえば,妊娠に父親は無関係だという生殖理論をもちながら,子供はすべて父親に似ると考える民族についての報告があります。科学的な基準や論理的な整合性からは,明らかに不合理な「蛮習」や「迷信」に思えますが,果たしてそうなのでしょうか。もし私たちが彼らとわかりあうつもりなら,それらを一方的に「不合理」とか「理解不可能」として片づけずに,解釈を加えていくべきでしょう。

社会は人間からつくられています。社会には制度や仕組みがあり,築いた歴史があり,文化があります。自分のみならず,他者や異質な文化を生きる人々がいます。それらを検討し理解する力を養う,それがこのコースの主な教育内容です。

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