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人文総合演習A 第15回


今回は、対象書の議論を踏まえた上で、今年の6月18日に厚労省が出した「安心と希望の医療確保ビジョン」を批判的に検討するという内容でした。これはなかなか有意義な課題です。まあ、本人も反省しているように調査不足・検討不足の感はありましたが、本で論じられていることについて、現在進行形で対策が練られているということを示してくれたという点ではよかったかと思います。

多少教育的なことを述べておきましょう。批判は自分で一から考えるより、すでになされているものを参考に、あるいはその批判自体を対象に、行う方がやりやすいです。そういうときに役立つのがGoogleニュース検索です。「安心と希望の医療確保ビジョン」で検索してみると、結構新聞などで論じられていることがわかりますし、最新の展開もわかります。7月17日には「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」が発足していますし、たとえば読売新聞は7月22日の社説「医師不足対策 増員だけでは10年かかる」でこのビジョンについて論じています。今後の参考になれば。


以下、出席者のコメント。

  • 今回のツッコミはなかなか厳しかったように思います。いつも議論の中で思うのですが、どんな対策を考えても必ず何かしら問題があって、批判的指摘をかわすのがいかに難しいか実感します。重い話題でしたが発表者の方はお疲れ様でした。
  • 医者不足などニュースやドラマで少しは知っていたが、この本を読んで問題をの根深さを知ってびっくりした。地方の医者不足対策で、私の高校でも昨年から、理数科を2クラスにして、2年時に1クラスを医歯学部コースにするという制度を導入した。少しでも問題が解決できればいいと思う。私も新大病院に通っていたことがあるのだが、何時間も待った挙句、数分の診療でちょっといらっとしたが、イギリスの例を見たらまだマシなのかなと思った。健康に気をつけます。とにかく暑かったです・・・。
  • 医師不足は本当に身近な問題であると実感した。それにしても今日は暑かった。
  • 人手不足改善の具体的な対策を報告者の方からもう少しきければよかったと思った。現時点での厚労省のビジョンでは医療の未来にとうてい安心はできない(レジュメでビジョンを検討してもらったことで肩すかしだとよく分かった)ので今後の国の対策を厳しい目で見ていきたい。
  • 社会的に医療に関する正しい知識を人々がもつことと、医療体制の柔軟な対応能力をつけることが必要だなぁと思いました。
  • 医師不足の解決方法というのは、なかなか簡単に見つけられるものではないと思いました。なかなか意見が出せなくて申し訳なかったです。
  • 今回は医療についてだったのですが、やはり今までの報告以上に自分は難しく感じました。しかし、今回レジュメ報告や、議論を通し、自分の地元の医療機関についても考えられたのでよかったです。
  • 自分はもう10年位医者にかかっていないので、医者不足と言われてもイマイチぴんとこなかったけど、本やみんなの話をきいて、実際に深刻な問題だなと思いました。女性医師の働きやすい環境を整えて、辞める医師を減らすのは良い策かなと思いました。
  • メディカルクラークの普及の推進には賛成だ。今は医療ミス以前に診てもらうことすらままならない人がいるのだから、優先すべきは医師一人あたりの負担を減らすことが第一ではないか。他の人にできることはしてもらう方がよいと考える。医師を守ることと患者を守ることとの、上から力を入れるバランスがむずかしそう・・・。大学病院に集中してインターンや研修生がいるのは効いたことがある。(野心や設備に魅力?)そのまま残るパターンが多いとか。
  • 日本の医師不足が深刻であることを改めて感じた。人の命を扱う職業は、仕事内容も心のもち方においてもとてもハードだと思う。患者としても医療関係者としても、一般の人も正しい「理解」が必要なんじゃないかなあと思いました。
  • 今回は発表者に若干準備不足があったかなという感じです。テスト前だからしょうがない面もあったんですけど^ ^; どうも医師不足はとまらないみたいですね。成り行きを見守りましょう。
  • 報告者の感想  もっとちゃんと調べて考えをまとめておくべきでした。自分が全く分かっていないところを突かれるとどうしようもなく、申し訳なかったです。司会者は良かったです。
  • 司会者の感想  司会をやって上手く場をコントロールできなくてすごく後悔した。医療問題は地元においてすごく大変なのでもっと考えていきたい。

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