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2008年7月

2008年7月31日

人文総合演習A 第16回


教室が急に広くなって感じがつかみにくかったですね。

今回の報告では、ソクハイユニオンなどバイク便ライダーの組合の結成、また2007年9月27日の厚労省通達「バイシクルメッセンジャー及びバイクライダーの労働者性について」など、本書刊行後の展開についても紹介してくれ、勉強になりました。また、ワーカホリックにならないための「ライフハック」も見つけてきてくれて、これは「好きを仕事に」とワーカホリックの関係を、(近い将来の)各自の状況を想像しつつ議論する叩き台になりました。

本人も反省する通り、見つけてきたことについてあと一捻り批判的検討を加えてやるとよかったですね。司会者はいろいろ考えて議論空間を作ってくれて助かりました。あと私がしゃべりすぎたのはいつも通り反省材料です・・・


以下、出席者のコメント。

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2008年7月25日

読書あれこれ

最近読んだ本のなかでおすすめの本です。
吉本隆明・糸井重里『悪人正機』、老いてますます元気ですな。
橋本治『小林秀雄の恵み』もよかったな。ほかの人がいえないことを
さらっと本質を突いてくるセンスはいいね。

2008年7月24日

人文総合演習A 第15回


今回は、対象書の議論を踏まえた上で、今年の6月18日に厚労省が出した「安心と希望の医療確保ビジョン」を批判的に検討するという内容でした。これはなかなか有意義な課題です。まあ、本人も反省しているように調査不足・検討不足の感はありましたが、本で論じられていることについて、現在進行形で対策が練られているということを示してくれたという点ではよかったかと思います。

多少教育的なことを述べておきましょう。批判は自分で一から考えるより、すでになされているものを参考に、あるいはその批判自体を対象に、行う方がやりやすいです。そういうときに役立つのがGoogleニュース検索です。「安心と希望の医療確保ビジョン」で検索してみると、結構新聞などで論じられていることがわかりますし、最新の展開もわかります。7月17日には「安心と希望の医療確保ビジョン具体化に関する検討会」が発足していますし、たとえば読売新聞は7月22日の社説「医師不足対策 増員だけでは10年かかる」でこのビジョンについて論じています。今後の参考になれば。


以下、出席者のコメント。

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2008年7月17日

人文総合演習A 第14回


いじめをはじめとする学校問題の捉え方は、自分の一回的な経験にかなり依存して決まる(しかもその記憶は、卒業後急速に薄れていき、またノスタルジックに、あるいは悪夢的に類型化される)ため、客観的な議論がしにくいのですが、今回報告者は、自分の経験の特殊性を十分に明記したうえで、それに基づいた議論を展開してくれました。このような構成にすることで、では異なる経験に基づけばどんな違った議論が展開できるか、というふうに話が広がっていくわけです。そういう意味で、下記司会者の謙遜に反して、各人が経験に基づいた意見を表明するという展開はアリだったと思います。

ところで、報告者は幼稚園から中学まで、1学年20人でずっとクラス替えなしという経験をしていて、学年でいうと小学校200人、中学校300人、高校450人という経験の持ち主である私は、そんなのはごく例外的な事例だろうと思っていたわけですが、出席者の中にそんな感じの少人数学年の経験者がかなりいてビビりました。自分の経験を無理に一般化していたのは私の方でしたね・・・


以下、出席者のコメント。

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2008年7月10日

人文総合演習A 第13回



今回の報告は、著者の議論を参考にしつつ、独自に『風の歌を聴け』の評論を試みるという、なかなか野心的なものでした。論点も結構面白く、しかし適度に穴もあって(笑)、作品を解釈していくことの面白さと難しさを体験できたのではないかと思います。作品全体の解釈は各部分の解釈に依存するが、他方で各部分の解釈は全体の解釈に依存する――これを解釈学的循環といいますが、今回話題になった「嘘」についてはこの循環(による解釈の不定性)が現れていたようにも思います。あと、この作品が、「「僕」が書いた物語」であると同時に「「僕」が書いた物語であることが内部に書かれている物語」であり、さらにそれを書いた「村上春樹」が架空の作家ハートフィールドにまつわる架空のエピソードを書いた(それゆえ小説の一部である)「あとがきにかえて」を含むという点で、「著者」が複数、重層的になっており、解釈者がどのレイヤーに依拠するかで話が変わってくるということもいえるでしょう。この点も議論に組み込めればさらに展開が望めたかと。

さて、出席者に『風の歌を聴け』を読んだことがある人がいないというのは、ちょっと誤算でした。早めにレジュメの方向性をアナウンスしといた方がよかったですかね。でも今回の文献なら、少なくとも『風の歌を聴け』くらいは読んどくもんだろうというのは・・・過剰要求ですかそうですか。

昔、大学1年の頃、柴田元幸さんの「翻訳論」の講義をとっていて、ちょっと遅刻していったところ、もともと大人気講義だったとはいえ異常な人数が教室にいて、後ろの入り口から入って席を探して前の方にやっと見つけて座ったら、なんと村上春樹がゲストに来て柴田さんと対談していて仰天したのは良い思い出です。これが東京か!と思いました(笑)。このときの様子は『翻訳夜話』に収録されていて、なんと私がフロアから村上さんに質問しています(どの質問かは恥ずかしいので言いませんwww)。


以下、出席者のコメント。

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2008年7月 3日

人文総合演習A 第12回



本が啓蒙書という感じで論争っぽい部分が少なく、議論の叩き台にはあまり向いていなかったのですが、報告者はその点かなり意識して材料をちりばめてくれました。本には現代における三宗教の関係までは含まれていなかったところ、いろいろとあたって調べて補足してあり、勉強になりました。もしこのテーマで卒論までいくのであれば、もう少し問題を絞りこんで、分析枠組みを明示していけば、あとふたひねりくらいで構想発表水準にはいくのでは?本人はgdgdとか書いてますが、少なくとも最初の方はスパッと答えていたし、あとの方は、自分の知識の中から例示しつつ真摯に説明しようとしている感じでよかったです。(というか報告者がたくさんしゃべって混乱してくれると、他の人がバシッと整理できる(←学生時代から私はこれが得意w)ので場としては成り立つわけです。)

司会者も自分では謙遜していますが、見事なさばきでした。報告者がつまったとき、また話が長くなりそうなときの、ここぞというところでの介入はうまいですね。方法論的な準備があったものと思います。


以下、出席者のコメント

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