- 松本仁一,2008,『アフリカ・レポート』,岩波新書
レジュメは打ち合わせのときのから全面書き直しですね。分量少ないかと思ったけど、問題点の指摘と対策案は明確でした。そのせいかどうかはよくわからないですが、今回も活発な議論でしたね。時間足りないです。
報告者の基本的な立場は(本人がどのくらい明確に自覚しているかはともかく)、我々の感じる幸福とか、我々が認識する自分の状況、我々の身に付いた行動様式といったものは、それ自体として絶対的なものではなく、それらを規定する下部構造によっては虚偽意識であるから(うわ、マルクス主義!)、真の幸福、真の状況認識、真の行動様式を手に入れられるよう、教育してやらなければならない、というものでした。
これは倫理学の適応的選好形成論とか、前期でやったアーキテクチャ型権力論の問題圏と関わるものです。いずれも、主観的に感じる幸福感や自由感を相対化する議論です。
出席者から、いや、主観的な幸福感こそが倫理的に尊重されるべきデータであり、「真の幸福」などという、あるのかないのかわからないものに基づいて介入するのはお節介だからやめるべきだ、というやはり明確な意見が出されたため、そこに立場選択の可能性があること、対立点があることが明らかになりました。
――というのが、私の興味関心から見たまとめですが、というかそういう関心から議論の方向性に影響を与えてしまいましたが、それでよかったのかどうか(笑)。
議論の展開については、ちょっと最近窮屈かなと感じています。前回書いたこと(司会者に御奉公しよう!)とはちょっと矛盾するかもしれませんが、各人が、全体で一つの流れとか結論を出そうとしすぎなのかなと思います。もっと自分が言いたいことや聞きたいことを自由に発言してしまっていいと思います。報告者と司会者と教員は事前に打ち合わせをしているので、問題設定などが共通しているかもしれません。全員がそれにのってしまうと、大切な論点が忘れられてしまうかもしれず、そうなると全体にとって損ですよね。前回は司会者からの目線で書きましたが、出席者の目線で書くなら、自分の発言は好きなことを言い、流れとか結論とか議論の意義みたいなものは司会者にお任せ、という態度でいいと思います。
以下、出席者のコメント。
- よくわからなかったけど、楽しかったです。
- 難しいないようだったけど、○田君(=司会者)はすごいがんばっていたと思います。
- 今回の議論は深いというか難しかった。司会者と発表者お疲れ様です。皆さんお疲れ様です。俺もっと頑張れ!
- 1つの問題を解決するにはいろいろ考えねばならないということを毎回感じさせられます。沈黙をつくらないように司会者が頑張っていたと思います。お疲れさまでした。
- (内政干渉の問題をクリアできなければ今回の議論はできないですね・・・)個人をとるか、社会をとるか。「幸福感」をとるか、「幸福の前提(生)」をとるか。とても難しかったです。
- 議論をしていたつもりだったのですがいつの間にか闘論みたいになってしまっていました。助けられたい人は助けて、今現在が幸福だと感じている人はそのままにしておけばいいと思います。不思議なのがどうして僕が皆助けないことになってたのかということでした。
- 考えないといけないことだとは思うが、個人がどうこうというのをもってきてしまうと、議論が全然進まなくなってしまう気がした。筋の通った(?)何を話しているのか分かる議論をするのは難しいですね・・・。
- 眠かったですが、がんばって起きてました。今回の議論は政治や貧困の問題が絡んで難しいとは思いますが、議論はしやすかったと思います。司会者お疲れさまでした。
- 例えば、アフリカの農民・子どもの親に農業訓練場とかで勉強していただいて、農業でもっと成功できることを教育で示してみせるなどのことから始めるのもいいのかな?
- オバマさんはイラクから軍を撤退させると言っていますが、介入が無くなったらどうなるのか注目ですな。おそらくイラクはアフリカ諸国よりも状況はいいと思うので、撤退後、悪化したらアフリカ諸国への介入はやはり必要なのでは・・・。
- 報告者の感想 レジュメを作っている時点でも何が何だかよく分からず何を話しているのかもよく分からず、混乱してしまいました。質問攻めにあわずに済んでよかったです。司会者は参考にしたい感じでした。助かりました。
- 司会者の感想 お疲れ様でした。司会は参加者と目線が全然ちがいますね。本筋を見失わないことを次の司会者に求めます。