- 香山リカ,2008,『「私はうつ」と言いたがる人たち』,PHP新書
報告は、うつ病と診断された後の社会的環境の変化のあり方によって「うつ病セレブ」とか「うつ病難民」を分けたり、うつ病になった原因も診断に組み込もうという著者に対して、症状として患者本人が苦しんでいるのは変わりないのだから、そういう比較をすること自体が精神科医として不適切だと批判するものでした。
いきおい、精神科医の倫理の話になり、臨床以外に、本書自体がそうですが、テレビなどのメディアにおいて精神科医が発言することの是非が話題になりました。コメントのところでメディアリテラシー云々が触れらているのはその話です。
他にも、心の病気と脳内の病変の関係(いわゆる心脳問題)や、精神の問題を薬による治療の対象と見ることの是非など、展開の可能性を秘めた論点を出してくれたのですが、全体の一貫性がちょっと弱かったですかね。
司会者はがんばってましたが、(特に前半)ちょっとコントロールが強かったですね。他の人が発言しやすい「間」も、工夫のしどころです。
以下、出席者のコメント
- 論点がいっぱいあったので、もっと確信の論点のみに絞って議論していけたらいいなと思いました。
- 面白い議論でした。うつ病は薬で必ずしも治るものではない難しい病気だと改めて思いました。
- うつという“病”をもっと身近に感じなければいけないと思いました。今まで簡単に治るものだと思っていたし、何か他に良い出来事が起これば治るものだと思ってました。改めたいと思います。本当にすいませんでした。
- 情報って考えてみると、本当に必要な情報は何があるのかなって思います。
- 内容が沢山だったので、もう少ししぼって欲しかったです。
- 自分の意見をすぐにまとめられる頭が欲しい。最近テレビを見る時間が少なくなってきた。
- 今日はあんまり話せなかった。先生の、「モラルのある人はテレビに出ない」といったことに納得。
- 私も、うつっぽくなる時があるのですが、「うつ病」には甘えるようなことはしたくない!!
- 最近、TVを批判しながら見ていると、段々つまらなくなってきました。ただ、段々自発的に物事を考えられるようにもなっています。いい感じです。
- 「またメディアリテラシーの話になった」と思い、つくづくメディアリテラシーの必要性を感じました。
- 特定の人しか喋らなくなってきた気がします。
- メディアの情報とはまた「別の考え方があるな」ぐらいに思うようにはしたいとは思った。「うつ」に関しては身近で難しい問題だなと再確認した。
- 報告者の感想 報告者なのに周りの意見に流されまくってしまった。司会者にも申し訳なかった。他の報告者の方は反面教師にすると良いと思います。
- 司会者の感想 情報の話はどうしてこんなに盛り上がってしまうのでしょう・・・。「うつ」についての議論ができませんでした。質問の仕方、フリ方って難しいと思いました。7.の話をしたかったです!!