人文総合演習B 第16回
- 斎藤環,2006,『戦闘美少女の精神分析』,ちくま文庫
さあ、最終回です。しかも2本撮りの2本目というやつですね(?)。テンションもちょっとアレな感じに・・・
わからないところは無視しろ! わかるところだけ自分なりに広げろ! それだけが発見への道だ! (発見のない報告なんて迷惑なだけだ!)というのがこのゼミの「教え」なわけですが、今回の報告者は、本書のうち、精神分析なところは全部切り捨ててくれました。うん、賢明な判断です。
で、報告者は、自分のアニメ視聴行動の特徴を、また自分がアニメ(やアニメキャラやアニソン)に向けている嗜好を、ある程度細かく記述してくれました。おそらく報告者本人は、(外見上はそれほどアニメ好きそうに見えない)自分のアニメ好きを暴露することでの盛り上げ機能を結構狙っていたのだと思いますが、そしてその狙いはなかなかうまくいったわけですが、その記述の中には様々な発見と、さらなる問いのための基礎が、いくつも含まれていました。
頻繁に、長時間にわたって観るという報告者が、アニメ視聴に使っているメディアは、テレビではなくパソコンだ、というところが特に重要でしょう。もちろんパソコンでDVDを再生しているのではなく、有料のストリーミングを観ているわけでもなく、様々な動画共有サイトに(違法に)アップされてあるアニメを無料で観ている。だからこそ、自分の好きなときに長時間、何話でも観ることができるわけです。これは、数年前まではまったく存在しなかった視聴形態です。もちろん対象本も想定していません。また、それと関連することとして、アニメをニコ動のMADで二次的に(そしてそこにつけられたコメントも含めるなら三次的に)楽しむというのも、非常に最近の現象です。
嗜好については、私自身の嗜好に関する事実関係はあえて語りませんが(笑)、報告者がアニメキャラは性的志向の対象にはならず、それゆえそれに特化した18禁アニメは全然観ないというのは、まあ後者の方はともかくとして結構違和感です。ちなみに報告者は男性です。うーん、あれですかね、代替メディアの数とアクセシビリティの向上とかが関わっているんですかね・・・などと、ちょっとヤバい方向に行きそうなのでこのくらいに。
そうした細かい事実の積み重ねの価値に較べて、オタクかどうか、という点は、ちょっと大雑把すぎて、これが議論の主軸になっていったのはちょっと残念感があります。ただ逆にいうと、オタクかどうかがあまり意味をもたない世の中になってきたのかなという感じもあります(自分が中高生の頃はそれは死活問題でした・・・)。
あ、大事なことを書き忘れるところでした。えー、今日の司会者は現役コスプレイヤーでした。写真が回りました。新潟にもいるんですね・・・というか東京でも遭ったことないです・・・。まあ、それも含め、司会者自身がいろいろ資料を提供してくれて盛り上がったというか、栄養過多になったというか・・・(笑)
以下、出席者のコメント。