昨年6月に奈良女子大学で行われたシンポジウム「マックス・ヴェーバーにおける歴史学と社会学」の記録が本になりました。私は討論とコメントでちょこっと顔を出すだけですが。
事務仕事に埋もれる前の、楽しかった奈良の2日間を思い出します(遠い目……)。
小路田泰直 著者代表
『比較歴史社会学へのいざない――マックス・ヴェーバーを知の交流点として』
勁草書房 2009年8月刊 四六判・384ページ 定価3,885円(本体価格3,700円)
内容説明
社会学とは「予見せんがために見る」(コント)ためにはじまった歴史研究への基礎的予備学である。行動科学化より歴史学との対話を。
比較歴史社会学(折原浩)/『天皇制史論』および「『支配のLegitimitat』概念」再考(水林彪)/マックス・ヴェーバー社会学の歴史学的考察(小路田泰直)および討論・コメントを通じて、多様な社会学、多様な歴史学をより大きな比較歴史社会学の一環に位置づける試論へ。法則科学化よりも歴史を踏まえた未来予知の学としての社会学を。
目次
はじめに(小路田泰直)
比較歴史社会学――マックス・ヴェーバーにおける方法定礎と理論展開(折原浩)
『天皇制史論』および「『支配のLegitimitat』概念再考」補論(水林彪)
マックス・ヴェーバー社会学の歴史学的考察(小路田泰直)
討論およびコメント
小路田泰直(司会)・折原浩・水林彪・雀部幸隆・植田信廣・松井克浩・小関素明・大久保徹也
コメント ウェーバー社会学における「支配」の基軸的意義(雀部幸隆)
コメント ヴェーバーの「正当性-諒解」――支配の歴史社会学へ向けて(松井克浩)
コメント 人間社会のネガティブリアリズムの看破と超克――ウェーバーは権力の発生をどう考えていたか(小関素明)
書評 折原浩『マックス・ヴェーバーにとって社会学とは何か――歴史研究への基礎的予備学』(勁草書房、2007年)を読む(雀部幸隆)