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高根調査

前回に引き続き、学内の「ソーシャル・キャピタル研究会」のメンバーで、村上市(旧朝日村)高根集落の「高根フロンティアクラブ」に聞き取り調査に行ってきました。集落の中でも比較的若手の住民が組織を立ち上げ、多くのイベントや交流事業、廃校を再生した食堂経営などに取り組んでいる事例です。意欲的な活動を可能にしている条件を探りたいというのが、調査の主な目的でした。

高根は、旧朝日村の奥まったところに位置する、186戸の比較的大きな集落です。棚田と広大な共有林が広がり、豊かな森と食文化に恵まれた地域でもあります。近年は、いずこも同じ少子高齢化が進行していますが、村上市街地への通勤圏でもあり、世帯数はそれほど減少していません。
「高根フロンティアクラブ」は、集落の活性化を目指して10年ほど前に結成されました。青年団は「卒業」したけど集落の中枢を担うには年が若い、といった世代の人びとがメンバーです。この集落には、このように「思い立った」人たちが組織をぽこっと作り、周囲もそれを何となく受け入れるという「気風」があるようです。また、(今回われわれもお邪魔した)「都岐沙羅パートナーズセンター」といったいわゆる中間支援団体や、さまざまな「外部」の組織・個人に対して、ひじょうに「開かれて」いる点も特徴だと感じました。そのあたりの詳しい経緯は、これから調べてみたいと思います。中心メンバーの方の「肩の力の抜けた」感も印象的でした。
宿泊先の農家民宿「ざいごもん」や廃校(旧高根小学校)を利用した食堂「IRORI」でいただいた、集落食糧自給率の恐ろしく高い食事は、たいへん「贅沢」な感じがしました。校舎の一室で醸造されている、どぶろく「雲上」(くものうえ)もとても美味でした。それにしても、「廃校」という空間には、時間と記憶が折り重なった得も言われぬ雰囲気があります(他の地域でもそうですが)。閉校時に最後の在校生が歌ったという校歌を聞きながら、ここで学び、今でも地域に住み続ける人びと、あるいは地域を離れていった何世代もの人びとが、この空間に抱く特別な「思い」に想像をめぐらせました。
調査にご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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