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2008年12月

2008年12月28日

高根調査

前回に引き続き、学内の「ソーシャル・キャピタル研究会」のメンバーで、村上市(旧朝日村)高根集落の「高根フロンティアクラブ」に聞き取り調査に行ってきました。集落の中でも比較的若手の住民が組織を立ち上げ、多くのイベントや交流事業、廃校を再生した食堂経営などに取り組んでいる事例です。意欲的な活動を可能にしている条件を探りたいというのが、調査の主な目的でした。

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2008年12月18日

人文総合演習B 第11回


今日は、一足早く冬休みに入った人が数人いましたね。怪しからん! ただ議論は結構盛り上がりました。

日本に古代はなかった、日本の歴史は最初から中世として始まる、という著者に対して、報告者は真っ向勝負を挑みます。いや、やっぱり日本史は古代から始めるべきだと。報告者の考えは、要するに、支配者の属性の推移によって時代区分をすべきであり、それでいくとやはり武士の擡頭によって中世の始まりとすべきであると。

しかしやはり、なぜ政治体制のあり方を(他の様々な領域における変化を差し置いて)時代区分の基準としなければならないのか、なぜ天皇時代、武士時代等と報告者の主張する時代区分をそのまま時代の名称にするのではなく、古代・中世・近代という西洋史由来の分類を用いなければならないのか、等々の疑問はおさえられませんね。

とはいえ、そういう批判を受けつつ、時代区分というものが、現在の視点から過去に切れ目を入れることで(「その時歴史が動いた!」)、過去の出来事の集まりの中に秩序を見出し(そうやって見出された秩序が「歴史」と呼ばれるわけです)、そうすることで(ある種の)理解が可能になる(ことで別の種類の理解が排除される)という仕組みは、なんとなく感得できたのではないでしょうか。

司会者は、たいへん工夫していましたね。まとめ方もよかったし、鎌倉で採った(刀の原料になる)という砂鉄をもってきてくれたり、楽しめました。あんな大量の砂鉄は初めて見ました(小学校の砂場でU型磁石にくっつけたのしか見たことなかった)。


以下、出席者のコメント。

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2008年12月11日

人文総合演習B 第10回


著者が、大人側からの対策としての加害者処罰を強調しているのに対して、報告者は、その有効性を認めたうえで、いじめられている人、中立的な人がどう振る舞うべきかについて、実体験を踏まえて論じてくれました。具体的には、いじめられている人は、本来の性格を隠して中立的グループに参加すること、それができない場合は、孤高を貫くことだと。また中立的な人は、著者のいうように「見て見ぬフリ」でよいのだが、そのやり方に良し悪しがあって、(以下は私の言葉でのまとめですが)いじめの中の悪の要素だけ見ないフリをする(ので正義感から止めることをしない)のが悪い見て見ぬフリであるのに対して、良い見て見ぬフリは、いじめそれ自体の存在を無視し、あたかもそれがないかのように被害者とも加害者とも普通に接する(ことによって被害者を助け、加害者にその行為の愚かさを気づかせる)とのことでした。

オーディエンスからはやはり実体験に基づいて、報告者の提案の困難性が様々な角度から指摘されました。

大人の側の対応、制度のあり方や運用の変革を求める著者には、私も賛成ですが、しかし今まさにこの瞬間にも全国の非常に多くの生徒が「いじめ」に逢っているわけで、そういう人たちは制度変革を待っている暇はないともいえます。そういう意味で、報告者のような観点からの提案も、著者の提案と並んでやはり重要だといえるでしょう。

司会者は謙遜していますが、最初の振り方とか、結構うまかったと思います。もう少し大きな声出せばもっといいですね。(声が大きいだけでいろいろごまかせます(笑))


以下、出席者のコメント。

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2008年12月 4日

人文総合演習B 第9回


報告は、うつ病と診断された後の社会的環境の変化のあり方によって「うつ病セレブ」とか「うつ病難民」を分けたり、うつ病になった原因も診断に組み込もうという著者に対して、症状として患者本人が苦しんでいるのは変わりないのだから、そういう比較をすること自体が精神科医として不適切だと批判するものでした。

いきおい、精神科医の倫理の話になり、臨床以外に、本書自体がそうですが、テレビなどのメディアにおいて精神科医が発言することの是非が話題になりました。コメントのところでメディアリテラシー云々が触れらているのはその話です。

他にも、心の病気と脳内の病変の関係(いわゆる心脳問題)や、精神の問題を薬による治療の対象と見ることの是非など、展開の可能性を秘めた論点を出してくれたのですが、全体の一貫性がちょっと弱かったですかね。

司会者はがんばってましたが、(特に前半)ちょっとコントロールが強かったですね。他の人が発言しやすい「間」も、工夫のしどころです。


以下、出席者のコメント

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2008年12月 3日

安塚調査

学内の「ソーシャル・キャピタル研究会」のメンバーで、上越市安塚区の「NPO雪のふるさと安塚」に聞き取り調査に行ってきました。全戸参加型NPOというたいへん珍しい形態をもつ組織(実際は旧安塚町の8割程度の世帯が加入)で、多くの意義と役割、そしていくつかの課題も抱えていると感じました。

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