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2007年12月 アーカイブ

2007年12月 4日

情報文化入門B、第2セッション

1年生向けの入門オムニバス講義「情報文化入門B」の第2セッションのお題はジェンダー論。男は外で働き女は家を守るという社会通念はどのように生じたのか、なぜ見るのはつねに男性であり見られるのはつねに女性であるのか、新しい家族のありかたはどのようなものなのか等々、ある意味でとても生々しく、つらい問題でしたが、このようなテーマであっても、社会学や政治学のように「重く」扱うのではなく、われわれが日々接しているイメージや広告や歌といった、一見すると「軽い」文化の側面からアプローチしていくのが文コミの特徴なのかもしれません。今日の講義は旧約聖書のアダムとエヴァから始まって、例によってもうひとつの「林檎」で閉め。うまくオチがついたことになったかどうか。

2007年12月 6日

大学講義体験@新潟県立中央高校

昨日、新潟県立中央高校の「大学講義体験」に行ってきました。
大学ではこんなことやっている(あるいはできる)を知ってもらおうというものです。
新潟大学全学部から教員が出講しました。
人文学部からは、行動科学課程の工藤信雄先生、地域文化課程の金山亮太先生、
そして、私、石田が参加し、講義を行いました。

お題は

「幽霊と映像技術の意外な関係から映画を考える」

で、Jホラーの傑作、中田秀夫監督『女優霊』(1995)を中心に、
写真、そして映画が人間にとってどうのようなメディアなのかを
話しました。

季節はずれの幽霊話に、受講生のみなさんはノリノリで(「んぎゃー!」と阿鼻叫喚の瞬間もあったりして)楽しんでもらえたかと思います。
ちょっとは文コミに興味もってもらえたらいいなぁ。

この講義の準備中に、ビデオデッキが壊れ、
おかげでビデオテープ二本(一本はクリップ集、もう一本はジョルジュ・メリエス)が
破損してしまいました。

これって

呪われている

と焦ったものですが、
終わり良ければすべてよし、です。

2007年12月11日

文コミ演習

今学期の3~4年生向け演習ではフランスの記号学者ロラン・バルトの写真論とアメリカの美術史家ジョナサン・クレーリーの視覚文化論を読んでいるのですが、毎回の発表担当者には、文献の要約に加えて、なにか一つ作品を選び、文献で学んだことに関連づけながら自由に分析してもらうことにしています。で、学生がこれまでに持ってきたものを羅列してみると以下の通り(抜けているものがあるかもしれませんが)。

フランス、パンザーニ社の広告
琉球泡盛の広告
ドラクラワの『海老のある静物』
フェルメール『窓辺で手紙を読む少女』(2バージョン)
シャルダン『赤エイのある静物』
リサ・フィッティパルディ『バレリーナ』
Sigur Rós、MV
The Beatles, Lucy in the Sky (MV)
東京事変『閃光少女』(MV)
ターナー『影と闇:洪水の夕べ』

文献で扱われている作品を素直にもってきたものから、一見して「関係あるのか?」と首をかしげたくなる異分野のものまで、様々ですね(ちなみに、いかにも授業担当教員の趣味っぽいものが一つ含まれていますが、別に強要したわけではありません)。写真に詳しい人もいれば、音楽に詳しい人もおり、どちらもそれほどでもない人もいる、そういう環境で、事前の知識があろうがあるまいが、とにかくその場で作品を見て、考え、発言し、議論していくわけですから、素人の無謀な即興演奏のアンサンブルとでもいうべきスリルがあります。そんななかで、誰よりもあたふたと右往左往しているのは、ほかでもない私自身かもしれませんが、それでも、議論のなかで学生からきらりと光る言葉が聞けたりすると、快感です。もちろん、あまり盛り上がらずにがっかりするときもあるわけですが。

クレーリーも一段落して、後半は学生のガチの自由発表。いったいどうなってしまうことやら。

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