第3回 新潟哲学思想セミナー〔NiiPhiS〕
ハリウッドの精神からの全体主義の誕生
──アドルノ「文化産業」論をめぐって
講師: 竹峰 義和(日本大学法学部)
日時:2009年11月27日(金)18:15~20:00
場所:新潟大学 五十嵐キャンパス
人文社会科学系棟 F - 161
ハリウッドの精神からの全体主義の誕生
──アドルノ「文化産業」論をめぐって
講師: 竹峰 義和(日本大学法学部)
日時:2009年11月27日(金)18:15~20:00
場所:新潟大学 五十嵐キャンパス
人文社会科学系棟 F - 161
ジャズやハリウッド映画を管理社会による大衆欺瞞の手段として容赦なく批判したアドルノの「文化産業」論は、エリート主義者によるポピュラー文化への侮蔑的反応として揶揄されてきた。だが、そこでアドルノが企図していたのは、実のところ「現代の野蛮」としてのファシズムという現象を、商品資本主義の必然的な帰結として説明することであった。とすれば、かつて全体主義を誕生させた諸条件は、〈アウシュヴィッツのあと〉の戦後社会でも、なおも密かに存続しているのではないだろうか。そして、現代においてもまた……。
第3回新潟哲学思想セミナーでは、講師に、竹峰義和さんをお迎えします。竹峰さんは、新進気鋭のアドルノ研究者として一昨年著書を公刊した後(本書は日本独文学会賞受賞)、文学、思想、映画、音楽、メディア論等の諸分野で幅広く活躍されています。本セミナーでは、難解なアドルノの思想を「文化産業論」という切り口から分かりやすく入門レクチャーしていただくとともに、竹峰さんとの討議を深めることを通じて、アドルノ思想の新たな可能性を探ってみたいと思います。
◎ 講師プロフィール
竹峰義和(たけみね・よしかず)。1974年生まれ。日本大学法学部助教。専門は、表象文化論、ドイツ思想史、映像メディア論。著書に『アドルノ、複製技術へのまなざし──〈知覚〉のアクチュアリティ』(青弓社、2007年)。共著に『美のポリティクス』(御茶の水書房、2003年)、Figuren des Transgressiven — das Ende und der Gast (München, Indicium, 2009)。訳書に、アドルノ『文学ノート2』(共訳、みすず書房、2009年)、メニングハウス『吐き気』(共訳、法政大学出版局、近刊)など。
◎ 新潟哲学思想セミナーとは
今年度より新潟大学を中心に立ち上がった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的に活躍されている講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。事前予約等は一切必要ありません。どなたでもお気軽にご参加ください。
主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会
お問い合せは宮﨑まで
→ ポスター(jpg)はこちら。