今年度も国内外の様々な学会に参加しました.10月に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスにて開かれた「日本エドワード・サピア協会第29回研究発表会」も,その1つです.サピアの名前を冠したこの学会は,日本において30年近い歴史を持っています.
私のゼミや授業でも,サピアを取り上げることがあります.サピアという言語学者の名は,「サピア・ウォーフの仮説」により知られている部分が大きいと言えます.しかし実際には,サピアの関心は,北米原住民諸語の記述,言語類型論,歴史言語学,言語と文化など,広範にわたっています.少々難しい部分もありますが,『言語―ことばの研究序説 』(1998年,岩波文庫)などを手にとって見てみてください.サピアの考えは,現在でも決して色褪せたものではありません.