第4回の NiiPhiS は、昨年12月に新潟大学に着任された青柳かおる先生を講師にお招きし、二十数名の参加者を得て、イスラームの婚姻論というテーマで開催されました。
今回のセミナーでは、ガザーリー(イスラーム思想史上最大の思想家の一人)、イブン・アラビー(ガザーリー以降のスーフィズムを代表する思想家)、カラダーウィー(現在、アラブ諸国だけでなく世界中のムスリムに大きな影響を持っている法学者)という3人のイスラム思想家の婚姻論に焦点があてられました。
スーフィズムからみたガザーリーの婚姻論と思想的背景にある存在論との結びつきについてお話があった後、ガザーリーとイブン・アラビーの比較(スーフィズムの思想における比較)、ガザーリーとカラダーウィーの比較(古典時代と現代の比較)が行われ、イスラム思想史の発展と多様性について学ぶことができました。
(文責・新潟大学大学院現代社会文化研究科博士課程 浦上麻衣子)
〈参考〉
・ガザーリーのテキストおよび翻訳等が掲載されているサイトhttp://www.ghazali.org/
・youtubeなどの動画サイトで、dhikr, mevlevi, sufi dance, whirling dervish 等で検索すると、修行の動画を見ることができる
・ファトワー提供ウェブサイト Islam Online(英語)
http://www.islamonline.net/english/index.shtml
・カラダーウィーの公式ウェブサイト(アラビア語)
http://www.qaradawi.net