栗原 隆 編
『世界の感覚と生の気分』
ナカニシヤ出版
A5判・310頁
税込定価 3990円
ISBN978-4-7795-0626-0
2012年3月28日発行
⇒出版社紹介ページ
【本書の紹介文】
われわれが合理的な知を奉じる中で看過してきた
共感・気分・雰囲気など、「感性的なもの」による世界の捉え直しを、
哲学・美学・心理学という多方面から探究。
世界の豊かさや生の実感の回復を目指す哲学的人間学。
私たちの人間学講座からは、編者の栗原隆先生をはじめ、宮﨑裕助が執筆陣に加わり、前スタッフの山内志朗先生のほか、新潟大学人文学部では、細田あや子先生、福島治先生、白井述先生が寄稿されています。以下は「目次」です。
『世界の感覚と生の気分』
ナカニシヤ出版
A5判・310頁
税込定価 3990円
ISBN978-4-7795-0626-0
2012年3月28日発行
⇒出版社紹介ページ
【本書の紹介文】
われわれが合理的な知を奉じる中で看過してきた
共感・気分・雰囲気など、「感性的なもの」による世界の捉え直しを、
哲学・美学・心理学という多方面から探究。
世界の豊かさや生の実感の回復を目指す哲学的人間学。
私たちの人間学講座からは、編者の栗原隆先生をはじめ、宮﨑裕助が執筆陣に加わり、前スタッフの山内志朗先生のほか、新潟大学人文学部では、細田あや子先生、福島治先生、白井述先生が寄稿されています。以下は「目次」です。
まえがき
I 醸し出される趣き
第一章 情念論小史──心身問題を中心にして......加藤尚武
1 はじめに
2 魂は物体よりも先にあった──プラトン
3 「パトス=情熱」以前
4 知の永遠の起動因
5 アリストテレスからデカルトへ
6 理性は能動的(自発的)で自律の原理、感性は受動的で他律の原理
7 観測と理解
8 デイヴィドソンの非法則的一元論
第二章 情趣と味わい......山内志朗
1 はじめに
2 味覚と趣味
3 味覚の空間性
4 人間的空間の構成と味覚
第三章 気分と兆候──モンテーニュにおける「無為」をめぐって......大西克智
1 はじめに
2 「無為であること」と《闘うこと》
3 「判断」の方へ──「隠し部屋」において「首座」を占めるもの
4 兆候を捉まえる、あるいは「自由に漂う注意力」
II つながる思い
第四章 共通知としての「良心」──その始まりと神の問題......座小田豊
1 はじめに
2 人間と神の同一性と差異
3 「懐疑」と「良心」──「始まり」を求めて
4 おわりに──「良心」は「共感」の「始まり」である
第五章 描かれた中国磁器──静物画に見るオランダという表象......尾崎彰宏
1 はじめに
2 歪められた東洋
3 東洋の徴
4 カルフのなかの東洋
第六章 ヨーロッパ風景画の雰囲気と文化風土......伊坂青司
1 はじめに──風景画と雰囲気
2 ヨーロッパ風景画の系譜と変容
3 シェリングの風景画論
4 ドイツ・ロマン主義の風景画
III 生の気分
第七章 世代と気分──ヘーゲルの哲学的人間学における世代論を手がかりに......栗原隆
1 はじめに
2 レンブラントに見る生の気分
3 青年は荒野をめざす
4 感覚のなかにすべてがある
5 結語に代えて──感応の脈路
第八章 生の諸相......細田あや子
1 はじめに
2 人生をいくつかの時期に分ける
3 「人生の諸時期」の図像
4 「人生の階段」図
5 ブルターニュ地方の「続き絵」──心の成長
6 おわりに
第九章 「気分」から探る乳児の世界......白井述
1 はじめに
2 目は口ほどにものを言う
3 乳児の「気分」を操作する
4 結びに
IV 世界の感覚
第十章 酒宴の表象──ゼーバルト・ベーハム『ケルミス大版画』の分析......元木幸一
1 大酒呑みのゲルマン人
2 『ケルミス大版画』の酒場光景
3 同時代版画の飲酒イメージ
4 ニュルンベルクの飲酒習慣と批判
5 おわりに
第十一章 自己と他者の曖昧な境界......福島治
1 認知される自己と他者
2 動機づけられた自己の拡張
3 不明瞭な自己の特権的情報
第十二章 美的情動のアンビヴァレンス──カント、シラー、美学イデオロギー批判......宮﨑裕助
1 なぜ「情感的なもの」が問題なのか
2 美的国家論の成立
3 美学イデオロギーの問い
4 結語──不可能な情動の政治にむけて
第十三章 自然の心──アニミズムは環境危機から世界を救うか......佐藤透
1 問題の所在
2 アニミズム(原義)復権の可能性
3 一心論と行為
4 結び──心論の意義
あとがき