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2020年1月26日

【新刊】宮﨑裕助『ジャック・デリダ──死後の生を与える』刊行 【お知らせ】

51qnFNeBvzL.jpg   宮﨑 裕助 著

  ジャック・デリダ
  死後の生を与える

  
  岩波書店
  46判・376頁
  税込定価 2940円
  ISBN978-4-00-061385-9
  2020年1月24日発行
  出版社紹介ページ

【本書の紹介文】
脱構築の名のもと、新たな問いの領域を生涯にわたり開拓し続けた、現代思想最後の巨星。没後15年を経て、その影響はなお衰えをしらない。日本ではいまだ知られざる後期の思想、そしてさまざまな局面に波及する脱構築思想の広がりを一望し、その可能性を解き明かす。すべての読者に開かれた、新たなる入門の書。

後期思想を中心としつつ「死後の生」という主題のもとデリダ像の刷新を図ります。此岸における私たちの生の有限性の行方について考える書です。よろしくお願いします。(著者より)

【書評】
・島田貴史氏『REPRE39』表象文化論学会ニューズレター、2020年6月23日 ⇒[本文
・山内志朗氏『読売新聞』2020年4月5日朝刊書評欄「本よみうり堂」⇒[本文
・星野太氏『artscapeレビュー』2020年2月15日号 ⇒[本文

【合評会】
・ゲンロンカフェ:鵜飼哲 × 宮﨑裕助「後期デリダ、「生き延び」の哲学──『ジャック・デリダ──死後の生を与える』刊行記念イベント」2020年7月31日(金)19:00-21:30 ⇒[詳細レポート記事
・脱構築研究会:宮﨑裕助『ジャック・デリダ──死後の生を与える』(岩波書店)合評会 2020年6月27日(土)16:00-18:00 ⇒[動画

【関連書ブックガイド】「「死後の生」を考える、永遠の生を希求することなく」(hontoブックツリー)⇒[本文

【関連テキスト】「ジャック・デリダの「死後の生」──ポストヒューマンと不死の行方」『群像』2020年5月号 ⇒[詳細


【目次】
序 論 いまここにある死後の生
 1 「私は私自身と戦争状態にある」
 2 翻訳としての死後の生
 3 遺産相続としての死後の生
 4 デリダ小伝および思想の概要


導入部 差延としての死後の生

第1章 差延、あるいは差異の亡霊――ソシュールからデリダへ
 1 「差異」から「差延」へ
  1・1 差異の原光景
  1・2 差異のジレンマ
 2 「差延」から「差異」の時間性へ
  2・1 差異の亡霊
  2・2 差異化と差延
 3 デリダとソシュールのあいだ


第Ⅰ部 政治的なものの亡霊的起源

第2章 国家創設と署名の力――「アメリカ独立宣言」をめぐって
 1 パフォーマティヴとしての独立宣言
 2 署名の反覆可能性
 3 寓話としての国家創設
 4 「権威の神秘的基礎」と暴力の両義性
 5 アメリカのもうひとつの名
 Post-scriptum 「行為遂行的」(パフォーマティヴ)から「倒錯遂行的」(パヴァーフォーマティヴ)へ

第3章 自己免疫的民主主義――来たるべきデモクラシーの条件
 1 民主主義の差延的構造
  1・1 自己支配
  1・2 多数支配
 2 「自己免疫」の由来と背景
 3 不可視なる「敵」の拡散
 4 デモスの情動的な生

第4章 プロフェッションとしての言語行為――亡霊化する労働の行方
 1 「喪の作業」としての労働
 2 労働のヴァーチャル化とグローバル化
  2・1 「あたかも~かのように」
  2・2 「労働の終焉」
  2・3 「世界の起源」
 3 プロフェッションとはなにか
 4 「資本の言語」から「プロフェッションの言語」へ


第Ⅱ部 人間と動物の生-死

第5章 動物と生政治への問い――猫のまなざし、ハリネズミの傷痕
 1 動物権利論の人間主義
 2 動物愛護論者デリダ?
 3 動物的生を捉える生政治への問い
 4 デリダ的生政治分析にむけて
  4・1 動物=パッション
  4・2 動物=エクリチュール

第6章 人間/動物のリミトロフィー――デリダによるハイデガーの動物論講義
 1 人間主義の回帰
 2 動物的貧しさの両義性
 3 動物的生の「本質的な震撼」
 4 「として構造」を媒介する痕跡の構造
 5 自伝的動物、あるいは動物の見る夢

第7章 ひとつの生、ひとつの生き延び――ドゥルーズ/デリダ
 1 動物は愚かさから守られているか
 2 生の思考における差異
  2・1 純粋内在としての生
  2・2 生き延びとしての生
 3 生のパルタージュ


第Ⅲ部 来たるべき共同体への信

第8章 他者への応答責任――死を与えるキルケゴールとデリダ
 1 「決断の瞬間はひとつの狂気である」
 2 『おそれとおののき』の諸問題
  2・1 犠牲
  2・2 倫理の切断
  2・3 秘密と責任
 3 イサク奉献解釈の読み換え
 4 責任の遍在化と無責任化
 5 信の秘密を分かち合うこと

第9章 呼びかけとしての友愛、哀悼としての友愛――アリストテレスの友たち
 1 アリストテレスの失われた箴言
 2 アガンベンの文献学的批判
 3 友愛の根源的パフォーマティヴ
  3・1 完全な友愛の自己廃棄
  3・2 友愛のミニマル・コンセンサス
  3・3 友愛の反覆可能性
 4 はじめに死者たちへの愛があった

終 章 家族への信――絆のアポリアについて
 1 家族の本質なき定義
 2 不在の父、複数の母
 3 非嫡出的なものへの愛
 4 子どものファンタスム

初出一覧
あとがき――死後の生を与えなおすために
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