新潟大学 人文社会・教育科学系(人文学部)
「地域映像アーカイブ」
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2008年に開始した、新潟大学人文学部の研究プロジェクト「地域映像アーカイブ」では、写真、映画、放送と分節化された映像メディアを、新潟というひとつの地域の枠から捉え直し、映像を地域の特性が育んできた一つの文化遺産として発掘、調査し、デジタル技術によって保全し、アーカイブとして保管することを試みてきました。また、従来の図書館、博物館や資料館の活動とは違い、原資料はそのものが元来あった場所に保存し、その資料の普遍的価値は形式を変えて新たな形で閲覧し、あるいは展示しようとしてきました。
現在のネット社会のなかで、あえてデジタル化した映像を地域の共有財とし、地域のなかで自由に使えるローカル・コモンズとして位置づけ、小中高等学校、あるいは博物館、資料館、美術館、図書館などと連携し、研究、ならびに教育的に利用できるようなシステムを構築することを目指し、さまざまな展覧上映イベントを行ない、地域に堆積する映像の社会的あり方を探り出し、新たに社会に再配置する映像のアーカイビングをしようとしてきました。
私たちは、写され、瞬時に過去のものとなっていく映像は、単なる情報でもなければ、過ぎ去った時間の痕跡でもないと思っています。人びとが映像に関わろうとするのは、過去に向き合うためではなく、新たな記憶を創り出し、社会にビジョンを描き、未来を導き出そうとするための行為の「兆候、表れ」なのです。懐かしさは未来からやってくる。地域映像アーカイブは、そうした人びとの意思と行動を明らかにする、可能性の総体、イメージバンクなのです。
新潟大学 人文社会・教育科学系(人文学部)附置
「地域映像アーカイブ」センター
センター長・原田 健一