« 言語類型論プロジェクト講演会開催のお知らせ | メイン | 第7回新潟哲学思想セミナー終了。 »

2010年12月 3日

カール・シュミットのアクチュアリティ──近代主権国家の歴史的使命とその終焉 【お知らせ】

0271.1.jpg 第7回 新潟哲学思想セミナー [NiiPhiS]

カール・シュミットのアクチュアリティ
──近代主権国家の歴史的使命とその終焉


講師 大竹弘二(南山大学准教授)

日時 2010年12月3日(金) 18:10~19:40
場所 新潟大学五十嵐キャンパス
   人文社会科学系棟 第一会議室 (B棟2階)

schmitt.jpg  国家の主権的決断を称揚していたとされるドイツの法学者カール・シュミットは、1930年代の後半になると、主権国家への信頼を放棄するに至る。第二次世界大戦中の広域秩序構想は従来の主権国家秩序に代わる新たな国際秩序の探求であったが、ナチス・ドイツの敗戦でこれが挫折した後も、近代主権国家の終焉という認識自体は変えることがない。『大地のノモス』の執筆時期にあたる1940年前後のシュミットの著作には、主権国家はそもそものはじめから没落を運命づけられていたという悲観的認識が各所に見られるのである。いったいシュミットにとって近代国家の歴史的使命とは何であったのか、そして彼は今日の国家の危機をどこに見ていたのか──

 第7回の新潟哲学思想セミナーは講師に大竹弘二氏をお迎えします。大竹さんは、昨年博士論文をもとにした大著『正戦と内戦──カール・シュミットの国際秩序思想』(以文社)を上梓した新進気鋭の思想史研究者であり、本書は、専門家のあいだではすでに大きな反響を得ています。シュミットといえば、とかくナチスの「桂冠法学者」としての悪名で知られていますが、その思想には、そうしたスキャンダルにけっして閉じ込めることのできない深さと先見性があります。今回大竹さんには、現代の世界政治の状況に即して、シュミット思想のアクチュアリティを分かりやすくお話いただく予定です。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。

◎ 講師プロフィール
大竹弘二(おおたけ・こうじ) 1974年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程修了。現在、南山大学外国語学部准教授。専門は社会思想史、とりわけ近現代のドイツを中心とした政治思想・国家論。著書に『正戦と内戦──カール・シュミットの国際秩序思想』(以文社、2009年)、訳書にアレクサンダー・ガルシア・デュットマン『思惟の記憶──ハイデガーとアドルノについての試論』(月曜社、2009年)、同『友愛と敵対──絶対的なものの政治学』(清水一浩との共訳、月曜社、2002年)がある。

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
昨年、新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部(インセンティブ経費)、同哲学・人間学研究会

お問い合せは宮﨑まで