現在、言語学は、新潟大学人文学部「心理・人間学主専攻プログラム」の人間学コースにおける専攻分野の1つです。高等学校まで言語学という名前の教科がなかったため、学生の皆さんにとって大学で初めて耳にする学問分野だと思われます。
以下に平成7年度(1995)から平成24年度(2012)までの山崎ゼミ、福田ゼミの卒業論文題目の一覧を掲げておきますので、言語学のイメージをつかむ上での参考にしていただければ幸いです(なお、大学院における言語学関係の修士論文・博士論文の題目は除いてあります)。
平成7年度
・明治時代の談話体に関する一考察 ― 小新聞の文体を中心に ―
・男と女の言語学 ― うたの中の女 ~20年前と今~
・固有名詞に関する一考察 ― その機能と意味について―
・一般意味論の言語学的再検討
平成8年度
・文理解における語用論的一考察
・ヘッドライン、キャッチフレーズ等の言語表現に関する一考察
・現代日本語の一構造 ―「の」名詞句について ―
平成9年度
・比喩表現の文化論 ― 動物を用いた表現を中心に ―
・「ジャナイデスカ」の研究
・断りの言語学
平成10年度
・言語意識について ― 学生の地域イメージと言語イメージ ―
・動物の言語 ― それぞれのコミュニケーションの手段とは ―
・「タリシテ」の研究
・マキシム・ヘッジとしての陳述緩和表現
平成11年度
・広告キャッチフレーズのレトリック
・日常言語における推論
・現代日本語の並列表現の研究 ―「ト」と「ヤ」について―
平成12年度
・日本語におけるコヒージョン
・日本語における後置文の研究
・淵への方法 ― 吉行淳之介の表現を廻って―
・「ようだ」と「らしい」の意味の違いについて
・アイロニーの語用論的考察
平成13年度
・外来語使用の意味と機能 ― 使用意識を中心として―
・接続助詞「が」の用法について
・日本語の授受動詞「モラウ」「クレル」の考察 ― 補助動詞的用法を中心として ―
・現代日本語における性差の研究
平成14年度
・否定疑問文の語用論的考察 ―「傾き」を中心として ―
・否定辞「ナイ」のスコープと焦点について
・あいづちの言語学 ― その形式と機能 ―
・新潟市笠木方言の研究
平成15年度
・現代日本語の語形成の一側面 ― 副詞的接頭辞を伴う派生名詞の立場から ―
平成16年度
・程度表現を含む類義文の意味論的考察
・選択体系機能理論による日本語の分析 ― 心理過程を中心に ―
・現代日本語における対人関係志向モダリティに関する一考察 ― 情報量のちがいによる疑問文の類型 ―
・味覚表現による評価について
平成17年度
・説得の言語学的諸側面
平成18年度
・動詞スルの用法の一側面 ― 格成分と派生動詞を中心に ―
・語りと沈黙の相互作用についての一考察
・不満表現のポライトネス方略
・反義語の意味論的考察
・タイトルの言語学的分析
平成19年度
・旧新潟市方言の記述的研究
・広告の言語 ― 化粧品広告のコピーにみられる言語技術についての二、三の考察 ―
・広告コピーの語用論
・絵本における言語と絵の関係について
・四コマ漫画における言語表現の意味と機能
・日本語の色彩名称 ― 比喩表現を中心として ―
・嫌味表現の語用論的考察
・スピーチのレトリック
平成20年度
・ファッション雑誌のレトリック
・現代日本語の新語形成 ― 動詞・形容詞を中心に ―
・自動詞としての「する」をめぐって
・映画の字幕と吹き替えにみる翻訳の研究
・助言表現におけるポライトネス方略
平成21年度
・現代日本語文法におけるゆれの現象について ― “に” と “へ” の交替を中心に ―
・現代日本語のオノマトペに関する考察
・外国映画の日本語吹き替えの台詞に関する言語学的考察
・ことわざにおける比喩表現
・言語的アイロニーの伝達メカニズム
・日本語方言の音韻論的分類に関する研究 ― モーラ方言とシラビーム方言 ―
・新聞におけるメタファーの機能 ― 社説の分析を通じて ―
平成22年度
・落語の落ちの言語学的分析
・取り立て助詞の研究
・日本語におけるモダリティの研究
・栃木真岡方言のアクセント
・一般語彙にみる言語使用の男女差について
・アメリカ英語におけるスウエリング表現
・米沢方言の格助詞について
・認知意味論から見た「表」と「裏」
平成23年度
・日本語における動詞の自他
・敬語は役割語としての機能を持つか
・大学生の敬語の使用と意識について
・感情の概念メタファーについて
・日英漫画のオノマトペの研究
・静岡県・中川根方言の記述的研究
平成24年度
・方言と共通語のコードスイッチングについて
・報道記事における情報提示の日英語比較
・大学生の美化語の使用と意識について
・現代日本語におけるやわらげ表現について
・会話におけるポライトネス方略の再検討
・読み手の主観的側面としての接続表現