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三谷武司

2008年6月12日

人文総合演習A 第9回



自分はもう、俊樹さんの文章をイノセントには読めないのです。つまり、いったい何ひねりしてあるのかと思いながら読み、そのうちに、いま何ひねり目で読んでいるのかを見失ってしまうという感じで、非常に疲れる読書です。なので、佐藤俊樹という人を全然知らず、純粋に桜のことを知りたくてこの本を読む人がどんな読み方をするのかというのはなかなか興味深いことでありました。

さて今回の報告は、ソメイヨシノの歴史の浅さ、人工的な来歴という事実を知った後に、ソメイヨシノ的な桜が我々にとってどんな(古い/新しい)意味を持つかを反省してみるといった感じでした。著者の見解と報告者の見解の違いがなかなか明確にならなかったきらいがありますが、この本の場合はしょうがなかったかなと思います。


以下、出席者のコメント。

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2008年6月 5日

人文総合演習A 第8回



今回の報告は、著者の呈示するシナリオから、その成立条件をいくつか抽出し、報告者が自分の家族という事例に照らして、それぞれの妥当性を検討し、成立条件自体の成立条件を補完的に示す、という形式でした。著者の文体が楽観的なものなので、まず身近な事例に当てはまるか、当てはまるためにどんな条件が必要かを考えるというのは常套的なやり方です。

司会者もこれを受けて、他の参加者にうまく振ってくれたので、いろんな家庭の事例が出てきて面白い展開になりました。


以下、出席者のコメント。

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2008年5月29日

人文総合演習A 第7回



ちょっと文献がマニアックすぎたかも。議論の展開をみてみても、ちくま靖国三部作だと高橋本三土本の方がよかったかと反省(まあ、報告者が選んだんだけどね!と責任転嫁)。

しかし毎回思うのですが、テキストに基づきつつ、自分の知識・関心に従って20分の報告に仕立て上げる能力は、みなさんとても1年生とは思えません。自分が学部生だった頃を思い出しても、この種のことができるようになったのは(というかそういう授業自体が)3年生になってからでした。というわけで、1年生の能力を最大限に引き出すという点で、担当教員の企画がいかに素晴ら(以下略

天皇や戦死者について、自分の直観や家族・親族から聞いた話をいろいろ聞けて、すごく参考になりました。田舎やなーという感じもしましたが(いやいい意味でw)。

ところで、今日はいつもと違うところに座ったのですが、風景が変わって非常にやりにくかったです・・・次回からはまたあっちに移ろう・・・



以下、出席者のコメント。

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2008年5月22日

人文総合演習A 第6回


結構論点が散漫で1回でやるのはなかなか難しい文献でしたが、報告者なりの観点から論点を絞って議論を組み立ててくれました。

国内問題と国際問題を分けてそれぞれ著者への異論を呈示し、特に今後のアジアのあり方について、報告者独自の構想を、そのメリットとともに披瀝するというなかなか野心的な報告でした。もちろん、議論に穴があるのは当たり前(穴がないなら実際に採用されているはず)で、しっかり突っ込まれていましたが、それも含めて今回も活発な議論で時間がすぐたちました。

あえて難を言うと、レジュメに誤字・脱字が多すぎましたね! あと質問されてgdgdになるのは、想定問答の準備がしっかりできていないことの表れです。司会については、展開をよく考えていたと思いますが、逆にコントロールがちょっときつかったようにも思います。この辺の調整は難しいところですね。


以下、出席者のコメント。

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2008年5月15日

人文総合演習A 第5回

今回の報告者の戦略は、著者のペシミズム(=「滅びの美学」)に対して、少子化を前提とした上で、かつ経済的衰退を避ける道を地方分権の推進(「連邦制」)に求めるというものでした。

これは戦略としては「あり」ですが、著者が述べていないことを、自分で一から組み立てて論じなければならないという困難を伴うものです。実際、報告者の構想には他の出席者から厳しいツッコミが入り、矛盾や不十分・不勉強な点が明らかにされていきました。もちろんこの展開は、演習としては「成功」です(報告者の議論がテキストから離れすぎて出席者が置いてけぼりにされてしまい、議論が出ない場合が「失敗」)。

ところでこの演習の受講者は、1989-90年生まれ、つまり「1.57ショック」世代なのですが、最後に挙手してもらったところ、出席12名中、1人っ子はゼロ、2人キョウダイが多数、3人キョウダイが数名、4人キョウダイが1名でした(ちゃんと数えればよかったorz)。なかなか興味深い結果です。


以下、出席者のコメント。

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2008年5月 8日

人文総合演習A 第4回

今回は本が難しかったですね。

さて全体の流れがつかみにくい場合、重要と思われる一つの論点に着目して、それに対する自分の議論を著者の議論に対置する、というのは、報告を作成するための一つの技術です。ただ他の出席者がその論点を特に重視している保証はないので、なかなかリスキーな戦略ではあります。他の話をしたがっている出席者を、むりやり自分の議論の圏域に引き込む、ある種の力技が必要になります。

今回報告者の提題は、その点で少し力が弱かったかなと思います。が、指摘していた点は、哲学的に非常に重要な問題であり、また別の機会に話を聞いてみたいと思いました。類書を読むなどして、さらに考えを深めていくと面白いかと。

相変わらず議論は活発で、90分がすぐ過ぎました。黙っていようと思っているのに、つい口を出してしまうのは私の悪い癖です。次回からは改めよう・・・

以下、出席者のコメント(というか君たち書きすぎw 打ち込むの一仕事ですよ)。

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2008年5月 1日

人文総合演習A 第3回

期待以上でした。報告者もしっかり準備してきているし、司会者のさばき方も素晴らしいものでした。また他の出席者も活発に発言し、議論が自然に広がっていき、教員の出る幕があまりなくて欲求不満です(笑)。(黙っていないといけないというのは大変苦痛です・・・)報告初回にこういうのができると、あとがうまく続きそうな気がします。何を隠そう、私は大学1年のときにこんなまともな報告はできませんでした(泣)。皆さんお疲れ様でした。また来週よろしく~。

以下、出席者のコメント。

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2008年4月17日

人文総合演習A(木曜4限)@人社系棟B15: 文献一覧

受講生のみなさん、今日決まった日程と対象文献の一覧です。(とりあえず担当者・司会の個人名は伏せました。)

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