人文総合演習A 第9回
- 佐藤俊樹,2005,『桜が創った「日本」――ソメイヨシノ 起源への旅』,岩波新書
自分はもう、俊樹さんの文章をイノセントには読めないのです。つまり、いったい何ひねりしてあるのかと思いながら読み、そのうちに、いま何ひねり目で読んでいるのかを見失ってしまうという感じで、非常に疲れる読書です。なので、佐藤俊樹という人を全然知らず、純粋に桜のことを知りたくてこの本を読む人がどんな読み方をするのかというのはなかなか興味深いことでありました。
さて今回の報告は、ソメイヨシノの歴史の浅さ、人工的な来歴という事実を知った後に、ソメイヨシノ的な桜が我々にとってどんな(古い/新しい)意味を持つかを反省してみるといった感じでした。著者の見解と報告者の見解の違いがなかなか明確にならなかったきらいがありますが、この本の場合はしょうがなかったかなと思います。
以下、出席者のコメント。