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言語学 アーカイブ


2013年11月26日

第16回言語学ゼミ夏合宿  【言語学】

 「言語学ゼミ」では,2013年9月22日から23日にかけて,胎内市の市営施設「胎内アウレッツ館」を会場に合宿を行いました.参加者は学生5名と教員1名(江畑)の計6名です.人間学ではこれまで15回の「言語学合宿」が行われており,今回は第16回となります.2日間にわたり,言語学に関するディスカッションやサハ語文法構造の解析ワークショップなどに取り組みました.2日目の午後には,周辺施設の散策を行いました.

 

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2013年10月22日

サハ語勉強会  【言語学】

ロシアのサハ共和国から2名の留学生が来日し,2013年10月からの1年間,人文学部で勉強します.せっかくの機会ですので,サハ語勉強会を行うことにしました.未知なるシベリアの言語をネイティブスピーカーと一緒にゼロから勉強してみませんか?関心のある方は江畑までご連絡ください.

【追記】

月曜4限に行います.初回は11/6(月曜振替)で,場所は国際センター第7教室(D309)です.

2013年8月 3日

対照言語学ワークショップ  【お知らせ】

対照言語学ワークショップを開催いたします.学内外の教員と大学院生が,日中語・日韓語にかんする発表を行います.

日時:  201383日(土)10:0018:00

場所: 新潟大学 五十嵐キャンパス 総合教育研究棟 D301 地域国際交流促進室

 

対照言語学とは言語学の1つの分野で,2つ(またはそれ以上)の言語の構造を比べることを手段として,その言語の特徴を明らかにしようとするものです.その成果は言語構造の解明に役立つだけではなく,外国語教育にも生かすことができます.今回は日本語と中国語あるいは日本語と韓国語を対照する7つの研究発表が行われます.詳細は下記プログラムをご覧ください.興味のある方は江畑までご連絡お願いいたします.

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2013年4月22日

サピアの言語観  【言語学】

金曜日の言語学演習では,エドワード・サピアの「言語」(1933年に百科事典の項目として公刊されたもの)を精読しています.その冒頭を拙訳(やや意訳)により紹介します.

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言語運用能力と高度に秩序立てられた言語は,既知のどんな人間集団にも存在する特徴である.言語を持たない種族というのはこれまでに全く見つかっていない.この事実に反するいかなる言明も,単なる伝説の類として退けて良い.ある民族はあまりに語彙が貧弱なので,ジェスチャーを補助的に用いないとやりとりができない,だから,その集団のメンバー間において明瞭な伝達が暗闇ではできなくなる,という言明が時折なされる.これには一切根拠がない.この問題の真実は,言語とは既知のすべての民族に見られる表現・伝達のための本質的に完全な手段だ,ということだ.文化にもいろいろな側面があるが,言語こそが,高度に発達した形式で人が受容する最初のものであり,言語の本質的完全性は文化全体の発達に対し必須だ,という推測はあながち間違っていないだろう.

以下のような一般特性が,現存する言語にも死語にも,文字を持つものにも持たないものにも,すべての言語に該当する.第一に,言語とは本質的に,伝達しうる思考や感情の表現のための音声的記号の体系である.言い換えれば,言語における記号とは,高級哺乳動物の喉頭と結びついた発声的振る舞いとははっきり区別されるものなのである.単に理論上からは,言語構造に似た何かがジェスチャーや他の身体的振る舞いから発達しえたのかもしれない,と想像することはできる.人類の歴史のある発達的段階において,書記というものが音声言語のパターンに近付けた模倣として生じたのは事実だ.このことは,言語という純粋に道具的で論理的な装置が,分節化された音声の使用に必ずしも依存しているわけではないことを示す.にもかかわらず,実際の人間の歴史と人類学の豊かな知見が実にはっきりと示すのは,音声言語というものが他のすべての伝達的記号体系に優先することである.それらの記号体系は,音声言語に比べ,書記のように代替的であったり,発話に付随するジェスチャーのように極めて補助的だったりする.言語の分節に用いられる音声器官もまた,既知のすべての民族に共通する.すなわち,喉頭と微調節可能な2本の声帯,鼻,舌,硬口蓋と軟口蓋,歯,そして唇である.発話における元々の振動は喉頭に位置すると見なせるのだが,細かな音声的調音は主として舌の筋肉運動による.舌のそもそもの機能はもちろん音声の産出とは何の関係もないが,実際の発話においては,感情表現豊かな音声を我々が言語と呼ぶものに展開させるうえで不可欠なのだ.舌が不可欠であるのは,「言語」とか「ことば」を表す最も一般的な語の1つに「舌」があることからも分かる.かくして言語というものは,音声産出についてでさえも単純な生理的機能とは言えない.というのも,「音声器官」が働き始める前に,原始的な喉頭の振る舞いが舌・唇・鼻における加減により完全に分解されていたはずだからだ.ことによると,この「音声器官」の生理的運動が各所に分散した二次的なネットワークを形成している(かつ関係する器官の一次的機能とは対応しない)点が,言語が,直接的な身体表現から自分自身を自由にしえた理由なのかもしれない.

自己紹介 【江畑 冬生】  【言語学】

江畑冬生(えばたふゆき)です.専門は言語学です.


 言語学という分野について,その単純なネーミングの割には,実際に何を研究しているのか良く知られているわけではないようです.およそ言語に関する研究は何であっても言語学と呼びうるわけですが,言語学の究極の目標は,世界の諸言語の仕組みと働きを明らかにし,人間言語とは何かを考えることです.


 言語は我々にとってあまりに身近すぎるので,改めて客観的に考察することは容易ではありません.まず,言語は物ではないので,実際に手にとって調べるわけにはいきません.そこで,人間の言語活動を観察することになります.人は,意思を直接相手に伝えるのではなく,言語を手段として伝達を行います.この時,物理的には音声が用いられます.音声が対話者の耳に入り,意味として理解されたときにはじめて,伝達が成立します.発した瞬間に消えてしまう「音声」と,客観的に捉える事が難しい「意味」.言語学では,この一種つかみどころのない音声と意味をなんとか科学的に解明しようと,もがいてきました.その成果は「文法」と呼ばれたりもします.


 ひとくちに言語学と言ってもいろいろのアプローチがありますが,私が主として行っているのは,記述言語学や言語類型論と呼ばれる分野です.「正しい言葉づかい」を決めるのが言語学だ,という誤解がありますが,記述言語学の態度は真逆で,むしろ実際の言語使用を客観的に観察することでその背後にある法則性を導き出そうとするものです.世界の言語の数は,6,000とも8,000とも言われています.それら諸言語の構造を解明しながら,人間言語の多様性と普遍性を明らかにするのが言語類型論です.


 私は2000年以降,サハ語というシベリアの少数民族の言語の文法構造についての研究を行ってきました.サハ語の話者数は約45万人で,そのほとんどがロシア語とのバイリンガルです.サハの人々の顔つきはなんとなく日本人に似ていて,言語構造にも類似が見られます.はじめてシベリアを訪れる際,新潟空港からハバロフスクへ飛びました(これがはじめての海外でした).以降,毎年のように新潟空港を利用していましたが,このたび教員として新潟大学に勤めることになったのも縁ですね.


 ところで人間学のフロアには「言語学実験室」という部屋があります.この部屋には,言語と言語学に関する新旧・和洋の良書がたくさん収められています.先任の山崎幸雄先生,福田一雄先生,あるいはそのさらに前の先生方が収集・管理なさってきた貴重な財産です.これをちゃんと生かすのも私たちの使命ですね.一緒に言語学を盛り上げていきましょう.

2012年9月20日

第15回 言語学ゼミ夏合宿の記録  【イベントの記録】

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 人文学部人間学コースの言語学ゼミは、平成24年9月8日(土)から1泊2日でJR津川駅近くの「清川高原保養センター」において「第15回言語学合宿」を行いました。昨年までは2泊3日で読書会を中心に実施していましたが、今年は4年生の卒論の進捗状況についての「pre中間発表」を中心にして一泊2日の日程で行いました。
 それぞれの発表に対して、ご参加いただいた山崎幸雄先生からのご指導をはじめ、学生の皆さんからの鋭いコメントが数多くあり、大変有意義な発表会となりました。
 東京の官庁に勤めるOB(今春卒)の参加も得て、「仕事の内容と社会人としての心構え」について、講話をしていただきました。夕食後は恒例のトランプ大会とささやかなコンパがあり、深夜までみんなで楽しい時間を過ごしました。
 振り返れば14年前に教員2名と女子学生4名(うち留学生1名)で第1回目の言語学読書合宿を行ったのも、「清川高原保養センター」でした。その後、毎年あちこちの温泉地や景勝地で実施し、多い時には20人くらいの参加がありました。哲学や宗教学や心理学の学生もいました。
 私は定年によりあと半年で現職を退きますが、言語学合宿は私にとっていつまでも忘れ難い懐かしい思い出です。 (記:福田一雄、11 Sept. 2012)

・写真(上)は合宿所の前で、写真(下)は勉強中の風景です。

2012年2月24日

言語学ゼミ卒業論文題目一覧  【言語学】

現在、言語学は、新潟大学人文学部「心理・人間学主専攻プログラム」の人間学コースにおける専攻分野の1つです。高等学校まで言語学という名前の教科がなかったため、学生の皆さんにとって大学で初めて耳にする学問分野だと思われます。
 以下に平成7年度(1995)から平成24年度(2012)までの山崎ゼミ、福田ゼミの卒業論文題目の一覧を掲げておきますので、言語学のイメージをつかむ上での参考にしていただければ幸いです(なお、大学院における言語学関係の修士論文・博士論文の題目は除いてあります)。

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2011年10月 5日

第14回 言語学ゼミ夏合宿の記録  【イベントの記録】

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 人間学講座言語学ゼミは、平成23年9月10日(土)~12日(月)にかけて、「清川高原保養センター」(新潟県東蒲原郡阿賀町京ノ瀬4851)において「第14回言語学読書合宿」を行った。3月に退官された山崎幸雄先生をお招きし、OBも加わり、総勢18名の参加を得て、楽しく有意義な合宿となった。今回の課題図書、水谷静夫『曲がり角の日本語』(岩波文庫 2011年)をレポータを決めて輪読した。4年生は卒論の内容について発表した。
 なお、下の写真は、7月期末のコンパの様子です。大変楽しく撮れましたのでこちらも掲載します。(記=福田)

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2011年4月 7日

言語学ゼミ近況  【言語学】

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 写真は、言語学ゼミ(教員:福田一雄+山崎幸雄)でH23年1月20日に教室で撮影したものです。
 言語学ゼミの近況を伝える一枚です。なお、山崎先生は、H23年3月末日をもって、定年を迎えられました。(記=福田)

2010年9月22日

「言語学読書合宿」の歴史  【イベントの記録】

 人間学コースでは、福田先生、山崎先生のゼミ生を中心に、言語学分野に関心をもつ学部生、卒業生、大学院生たちが参加して、毎年「言語学読書合宿」を開催しています。
 今年で13回目を数え、津川温泉にて活発なゼミが開かれました。

○第13回 「言語学読書合宿」
日程:平成22年9月11日(土)~9月13日(月)
場所:津川温泉「清川高原保養センター」
課題図書:荒川洋平『日本語という外国語』講談社現代新書
参加者:15名

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以下は、これまでの合宿の記録です。

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