第22回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)
ジョルダーノ・ブルーノを読むジョン・トーランド
汎神論の発明
講師 岡本源太(岡山大学文学部准教授)
日時 2016年9月8日(木) 18:30~20:00
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス
総合教育研究棟B棟5階プレゼンルーム
近代の黎明とされるルネサンスは、こと哲学史においてはその影響力が見えにくく、以後の近代哲学にどのように引き継がれたのか、いまだ十分に解明されていません。本発表では、ルネサンス哲学の隠れた後裔の一例として、アイルランドの自由思想家ジョン・トーランド(John Toland, 1670-1722)の哲学を取り上げます。ロックとバークリのあいだにあって、ライプニッツやベールやクラークとの論争を通して、みずからの哲学を「汎神論」として鍛え上げていったトーランドは、1698年にルネサンスの哲学者ジョルダーノ・ブルーノ(Giordano Bruno, 1548-1600)の一連の著作を入手して以来、つねにそれを座右に置き、多数の書き込みと、部分的ながら英語訳を残しています。トーランドはブルーノからなにを受け取ったのか――ルネサンス自然主義から近世自由思想への継承の内実を探ります。
第22回新潟哲学思想セミナーは、講師に岡本源太氏をお迎えします。岡本氏は哲学者ジョルダーノ・ブルーノを中心とするルネサンス期西洋哲学を専門とされています。ブルーノが美術史家アビ・ヴァールブルクや小説家ジェイムズ・ジョイスへ与えた影響をはじめ、ルネサンス以降のヨーロッパにおける哲学と芸術の今日的な展開を現代思想や現代芸術を手がかりに研究されています。今回のセミナーでは、アイルランドの自由思想家ジョン・トーランドの哲学から、ブルーノの哲学の反響と残存を読み解くといった内容で講演していただきます。多くのみなさまのご来場をお待ちしております。
◎ 講師プロフィール:岡本源太(おかもと・げんた)1981年生まれ。岡山大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は、ルネサンス期西洋および現代の哲学思想と芸術理論。著書に『ジョルダーノ・ブルーノの哲学――生の多様性へ』(月曜社、2012年)、『『明るい部屋』の秘密――ロラン・バルトと写真の彼方へ』(共著、青弓社、2008年)、訳書に、ジョルジョ・アガンベン『事物のしるし――方法について』(共訳、筑摩書房、2011年)他。
◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。参加費、予約等は不要です。どなたでもご自由にご参加ください。
主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・古田徹也)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会
お問い合せは宮﨑まで
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