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2015年6月30日

存在論の神話──ハイデガーの『黒ノート』と 20世紀の《神話の哲学》をめぐって  【NiiPhiS】

heidegger_img.jpg 第19回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)

存在論の神話
ハイデガーの『黒ノート』と
20世紀の《神話の哲学》をめぐって


講師 齋藤元紀(高千穂大学教授)

日時 2015年7月17日(金) 18:15~19:45
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス
   総合教育研究棟 D-301(旧地域国際交流促進室)

 現代哲学に甚大な影響を与えたハイデガーの存在論。ところが昨年、長らく秘匿されてきた彼の「思索日記」とも言うべき『黒ノート』が刊行されると、そのなかに収録された反ユダヤ主義的文言によって世界中の哲学界が騒然となった。彼の存在論は反ユダヤ主義か否か。20世紀に澎湃として起こった《神話の哲学》の潮流を背景にするとき、ハイデガーの存在論に潜むこの反ユダヤ主義の「神話」的性格はどのように考えられるのか――

sonzainokaishakugaku.jpg  第19回の新潟哲学思想セミナーは、講師に齋藤元紀氏をお迎えします。齋藤さんは、20世紀を代表する哲学者マルティン・ハイデガーの哲学を専門とする気鋭の哲学研究者であり、主著『存在の解釈学』は、ハイデガーの『存在と時間』を、解釈学の伝統のうちに精緻に読み解いた記念碑的な達成として知られています。今回のセミナーでは、近年思想界で大きな話題になっている「黒ノート」と呼ばれる新資料を手がかりとして、ハイデガー哲学の現在について、ざっくばらんにお話ししていただきます。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。


◎ 講師プロフィール 齋藤元紀(さいとう・もとき) 1968年新潟県生まれ。法政大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。博士(哲学)。現在、高千穂大学人間科学部教授。専門はハイデガーを中心とした現代哲学。著書に『存在の解釈学──ハイデガー『存在と時間』の構造・転回・反復』(法政大学出版局、2012年)、『ハイデガー読本』(法政大学出版局、2014年)、『始まりのハイデガー』(晃洋書房、2015年近刊)、『連続講義 現代日本の四つの危機――哲学からの挑戦』(講談社選書メチエ、2015年近刊)、『ハイデガーは反ユダヤ主義者か』(水声社、2015年近刊)。
TwitterID: @eksistenz

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部研究プロジェクト支援経費/同 哲学・人間学研究会

お問い合せは宮﨑まで


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2015年1月31日

第18回新潟哲学思想セミナーが開催されました  【イベントの記録】

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 第18回新潟哲学思想セミナーでは、講師に立命館大学の千葉雅也先生をお迎えし、「文化現象としての思弁的実在論(序説)」というテーマのもと、いわゆる「ポスト構造主義」以降広まっている「思弁的実在論」という思想についてお話しいただきました。
 2000年代後半から英国を中心に広まっているこの思想は、人間にとって事物がどう在るか、ではなく、「もの」それ自体についての在り方について語ろうとする哲学です。これまでは、我々がものを認識するとき、私からそれがどう見えているのか、というように、私の主観抜きでは語りえないとされてきました。このような相関主義の立場を批判し、我々にとっての世界ではなく、ものそれ自体における世界にアクセス可能な哲学を構想するというのが思弁的実在論です。

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2015年1月23日

文化現象としての思弁的実在論(序説)  【お知らせ】

ugokisugitehaikenai.jpg 第18回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)

文化現象としての思弁的実在論(序説)

講師 千葉雅也(立命館大学准教授)

日時 2015年1月23日(金) 18:15~19:45
場所 新潟大学五十嵐キャンパス
   総合教育研究棟 D-301(旧地域国際交流促進室)

 ドゥルーズやデリダらのいわゆる「ポスト構造主義」以後、2000年代後半からのヨーロッパ大陸哲学のムーブメントとして「思弁的実在論(Speculative Realism)」という思想的潮流が注目を集めつつある。『現代思想』2015年1月号ではあらためて特集が組まれ、中心人物である現代フランスの哲学者クァンタン・メイヤスーの論考「亡霊のジレンマ」が掲載されている。この「思弁的実在論」はしかし、たんに現代哲学の一トピックであるにとどまらない。それを現代世界の諸文脈に関わる特殊な文化現象として捉えるならば、はたしてどのような視点をとりうるのだろうか。この新たな思想はいったいいかなる可能性を秘めているのだろうか───

twitterphilosophy.jpg  第18回の新潟哲学思想セミナーは、講師に千葉雅也氏をお迎えします。千葉さんは、20世紀フランスの哲学者ジル・ドゥルーズを中心とした現代思想を専門としつつ、文学・芸術・精神分析の諸領域にいたるまで幅広く活躍されています。千葉さんの著書『動きすぎてはいけない』は大きな反響を呼び、表象文化論学会賞、紀伊國屋じんぶん大賞を受賞されました。今回のセミナーでは、ドゥルーズ以後の最先端の思想潮流である「思弁的実在論」の可能性についてざっくばらんにお話ししていただく予定です。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。

◎ 講師プロフィール
千葉雅也(ちば・まさや) 1978年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。専門はフランス現代思想・表象文化論。著書に『動きすぎてはいけない──ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』(河出書房新社、2013年)、『別のしかたで──ツイッター哲学』(河出書房新社、2014年)ほか。TwitterID: @masayachiba

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会

お問い合せは宮﨑まで


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2014年8月17日

第17回新潟哲学思想セミナーが開催されました  【NiiPhiS】

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 第17回新潟哲学思想セミナーでは、講師に神戸女学院大学の大橋完太郎先生をお迎えし、「啓蒙の盲点、啓蒙批判の盲点」というテーマでお話いただきました。
 第二次大戦後にアドルノとホルクハイマーの『啓蒙の弁証法』によって、18世紀以来の啓蒙思想は批判を受けました。しかし18世紀のフランス、ひいてはヨーロッパの知識人たちによる啓蒙の活動と、アドルノらによって告発された啓蒙の姿には差異があるのではないか、そしてその差異はいかなるものか。お話しでは主にこの問いが扱われました。

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2014年7月 2日

第16回新潟哲学思想セミナーが開催されました  【NiiPhiS】

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[文責=新潟大学大学院現代社会文化研究科 博士課程 高畑 菜子]

第16回新潟哲学思想セミナーは、講師に古田徹也先生をお迎えして、「行為と行為でないものの境界」というテーマで開かれました。ご講演は、行為という概念の奥行きを広げるだけ広げたうえで、そこで捉えきれないものをどう考えるか、というものでした。

古田先生によれば、行為論は、「私が手をあげるという事実から、私の手があがるという事実を引いたら、後には何が残るのか」といウィトゲンシュタインの問いが起点となっています。たしかに行為を意図や意志の有無で特徴づけるという考え方が支配的ではありますが、しかし意図的行為はあくまでも行為の一側面にすぎません。実際には「意図せざる行為」が世の中にあふれているわけですから、ここであらたに、「(図らずも)やってしまったという事実から、起こってしまったという事実を引いたら、後には何が残るのか」という問題が生じてきます。ご講演はおもにこの問題の解答を探る試みでした。

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2014年7月18日

啓蒙の盲点、啓蒙批判の盲点  【お知らせ】

ohashi.jpg 第17回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)

啓蒙の盲点、啓蒙批判の盲点

講師 大橋完太郎(神戸女学院大学准教授)
コメンテーター 逸見龍生(新潟大学准教授)

日時 2014年7月18日(金) 18:15~19:45
場所 新潟大学五十嵐キャンパス
   総合教育研究棟 D-301(旧地域国際交流促進室)

 近代主義としての啓蒙批判の要点はどこにあるのだろうか? アドルノとホルクハイマーの『啓蒙の弁証法』(1947年)は、そうした啓蒙批判のなかでも、もっともよく知られた書物である。だが、その批判はいったいどこに行き着くのだろうか。そうした議論の先、あるいはその手前には、近代の啓蒙批判に収まらないオルタナティヴな啓蒙思想の姿が見出されないだろうか。とりわけ、ディドロ、ルソー、サドの思考のうちに。それは、いったいいかなるものだろうか──

 第17回の新潟哲学思想セミナーは、講師に大橋完太郎氏をお迎えします。大橋さんは、18世紀フランスの作家・思想家ディドロを中心とした啓蒙思想を専門としつつ、近代から現代思想の諸領域に至るまで幅広く活躍されています。大橋さんの著書『ディドロの唯物論』は、学会でも大きな反響を呼び、表象文化論学会賞を受賞されました。今回のセミナーでは、本学より、逸見龍生さんにもコメンテーターとして登壇いただき、フランスの啓蒙思想の面白さや奥深さをめぐって大橋さんとともに論じてもらう予定です。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。

◎ 講師プロフィール
大橋完太郎(おおはし・かんたろう) 1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、神戸女学院大学文学部准教授。専門は、フランス近代思想・表象文化論。著書に『ディドロの唯物論──群れと変容の哲学』(法政大学出版局、2011年)ほか。
逸見龍生(へんみ・たつお) 1964年生まれ。現在、新潟大学人文学部准教授。

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部(研究プロジェクト支援経費)/同 哲学・人間学研究会

お問い合せは宮﨑まで


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2014年4月 8日

行為と行為でないものの境界  【NiiPhiS】

N14 第16回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)

『それは私がしたことなのか』 行為と行為でないものの境界

講師 古 田 徹 也(新潟大学准教授)

日時 2014年4月8日(火) 17:0015~18:3045
【お知らせ。時間が15分遅くなりました。】
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス
   人文社会科学系棟 第1会議室 (B棟2階)

「非難に値し、責任を問われ、罰を受けるべきなのは、自分の自由な意志で行った行為だけだ」。一見すると妥当であるかに見えるこの主張は、じつはさまざまな問題をはらんでいる。まずわれわれは、自分から進んでやったわけではない行為に関してもしばしば非難を受け、責任をとる。またわれわれは、非難に値しない行為に関して、さらには、そもそも行為ですらない出来事に関しても、ときに責任を問題にするのである。──

第16回の新潟哲学思想セミナーは、講師に古田徹也氏をお迎えします。古田氏は昨年に公刊されたご著書『それは私がしたことなのか──行為の哲学入門』において、英米系の行為論や心の哲学の成果を存分に活用しつつ、その強靱でしなやかな思考によって、新たな「非体系的な倫理学」を模索されています。今回のセミナーでは、行為論への入門から始まり、いわゆる「サバイバーズ・ギルト(Survivor's guilt)」の事例なども踏まえながら、行為と行為でないものの曖昧な境界線を跡づけることで、「責任」という概念の奥行きを探究していきます。多くのみなさまのご来場をお待ちしています。


◎ 講師プロフィール
古田徹也(ふるた・てつや) 1979年生まれ。東京大学文学部、同大学院人文社会系研究科博士課程修了(倫理学)。博士(文学)。現在、新潟大学教育学部准教授。専門は哲学・倫理学。著書に『それは私がしたことなのか──行為の哲学入門』(新曜社、2013年)、他。

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった新しい公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。予約等はいっさい必要ありません。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー(世話人=宮﨑裕助・城戸 淳)
共催:新潟大学人文学部哲学・人間学研究会
お問い合せは城戸まで


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2013年9月30日

第15回新潟哲学思想セミナーが開催されました  【NiiPhiS】

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 第15回の新潟哲学思想セミナーでは、東京大学の鈴木泉先生をお迎えし、スピノザ/ライプニッツ問題の反復としての近現代哲学がどのようにスピノザの非人間主義的な思考(inhumanisme)の特異性を隠蔽してきたか、また、そうして隠蔽され続けてきたスピノザ哲学の潜在的可能性について、興味深いお話をしていただきました。

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2013年9月27日

スピノザ/ライプニッツ問題の反復としての近現代哲学  【お知らせ】

spinosa 第15回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)

スピノザ/ライプニッツ問題
の反復としての近現代哲学


講師 鈴木 泉(東京大学准教授) Leibniz

日時 2013年9月27日(金) 16:30~18:30
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス
   人文社会学系棟 第一会議室(B棟2階)

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2013年8月 8日

第14回新潟哲学思想セミナーが開催されました  【NiiPhiS】

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[文責=新潟大学大学院現代社会文化研究科 博士課程 高畑 菜子]

第14回新潟哲学思想セミナーは、講師に山形大学の松本大理先生をお迎えして、「ヴェルマーにおける参加者の視点」というテーマで開催されました。ご講演は、討議倫理学への入門に始まり、フランクフルト学派の第2.5世代ともいえるヴェルマーについて、とくにアーペルに対する批判や、アーペルと共通する問題意識など、両者の関係について焦点を当ててお話し下さいました。以下、松本先生のご講演のなかから個人的に興味をもった主題についてご紹介いたします。

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