自己紹介 【青柳 かおる】
青柳かおる (あおやぎ かおる)
専門はイスラーム思想史です。約900年前の思想家ガザーリー(1111年没)を中心に、アラビア語の一次資料を読みながら、古典時代のイスラーム神学・哲学・神秘主義(スーフィズム)の思想史を研究しています。ガザーリーは、最も重要な古典イスラーム思想家の一人であり、現代のイスラーム教徒にも大きな影響を与えています。
ガザーリーの主著『宗教諸学の再興』の中の「婚姻作法の書」を翻訳し、マッキー(998年没)、イブン・アラビー(1241年没)といったガザーリー前後の思想家の婚姻、女性、性に関する議論と比較しています。最近は、以上の古典研究を踏まえて、現代のイスラーム法学者のカラダーウィーの著書とも比較しています。ガザーリーの思想、とくにセクシュアリティー(性行為、生殖、婚姻、女性、ジェンダー、性愛観、生命倫理などのさまざまな性に関する問題)の議論を分析し、現代のムスリムによる性の議論、性に対する考え方と比較することにより、古典思想の現代における影響、意義を考察しています。
さらに、古典時代と現代が結び付くテーマとして、生命倫理の問題を研究しています。古今のスーフィズム文献、医学書、コーラン注釈書、法学文献、ファトワー集などの幅広い文献を渉猟し、古典時代から現代までのイスラームの生命倫理の変遷を文献学的に明らかにしたいと考えています。
おもな研究業績については以下の続きを参照してください。