第10回新潟哲学思想セミナーが開催されました 【イベントの記録】
第10回セミナーでは、講師に筑波大学の佐藤嘉幸先生をお迎えして、「規律的統治から新自由主義的統治へ──後期フーコーと権力の諸問題」というテーマでお話いただきました。
日本だけではなく、世界各国で(とくに先進国において)抱えている財政問題を解決すべく、いまや多くの世界では従来の政治体系である福祉国家型国家から新自由主義型国家へと移行されてきている。このような福祉国家的統治から新自由主義的統治への移行によって、どのように権力構造は変わるのだろうかというまさに現代が直面している問題、しかも避けては通れないような重大な問題が今回のテーマでした。
会場には多くの学生や教員、地元の方々の参加があり、質疑応答では、時間いっぱいまでさまざまな議論が飛び交いました。会場にいらっしゃった城戸先生をはじめ、市民の方からの質問にも、佐藤先生は丁寧に、わかりやすく、ラジカルに回答されたので、私たち学生にとっても論点が見えやすく、質疑応答の内容も理解しやすく感じられました。
議論の熱が冷めないまま、予定時刻を過ぎてしまったのですが、会場を移し、恒例の懇親会において──ある意味、この懇親会によって、この追補的な会によって、むしろこの講義の理解がはじめて深まるのではないかと毎回個人的に感じているのですが──、今度は学生を中心に佐藤先生にさまざまな質問をさせていただきました。佐藤先生は学生の質問に対しても、親身に、丁寧に、わかりやすく答えてくださいました。懇親会もおおいに盛り上がり、大変有意義で、貴重な時間となりました。
以下では、講義と質疑応答の要点を紹介したいと思います。