ポール・ド・マン『盲目と洞察』 【お知らせ】
宮﨑裕助+木内久美子 訳
盲目と洞察
現代批評の修辞学における試論
月曜社
46判・上製360頁
本体価格 3400円
ISBN 978-4-901477-98-7
2012年9月20日発行
⇒出版社紹介ページ
【本書の紹介文】
テクストと向きあう〈読むこと〉の透徹した営みによって、
現代における批評の新たな方向性を決定づけた古典。
ブランショ、プーレ、デリダらと果敢に対峙し、
不可避的な内的齟齬への盲目性によって
彼らの洞察そのものが支えられていることを暴く。
鋭利な考察が今なお輝きを放つ、イェール学派の領袖の主著。
1971年初版本よりの完訳。
【訳者より】
本書は、20世紀文芸批評の極点のひとつをなす文学者、
ポール・ド・マンの代表作であり、訳書が長らく待望されてきましたが、
このたび原著刊行後40年を経てついに訳書を上梓することができました。
原文の難解さに引きずられないよう、訳文をできるかぎり工夫し、
訳註も充実させました。
文学や批評、芸術、思想に興味をもつすべての方におすすめです。
どうぞよろしくお願いします。(宮﨑 裕助)
以下、2012年11月20日追記──────────
早くも以下の書評を頂戴しました。この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。
■ 土田知則氏(千葉大学)『図書新聞』2012年11月17日号(第3086号)。
──「まさに待望の翻訳[...]。本書の邦訳により、日本におけるド・マン研究はようやく新たな端緒を迎えたと言えるだろう。」
■ 山城むつみ氏(批評家)『週刊読書人』2012年11月9日号(第2964号)。
──「[...]読むことの極北へとひとり進んだド・マンが五十二歳で出したこの第一評論集が四十一年の歳月を経て今、回帰して来たことは、個人的に、耐え難く重い一撃である。」
追記ここまで───────────────
著者:ポール・ド・マン(Paul de Man)
1919年ベルギー・アントワープ生まれ。ブリュッセル自由大学で工学、後に化学を専攻し、哲学や文学も広く学ぶ。1948年合衆国に移住。1960年ハーヴァード大学にてPh.D. 取得(比較文学)。コーネル大学、ジョンズ・ホプキンズ大学、チューリッヒ大学などで教鞭を執り、1970年以降、イェール大学比較文学科教授。1983年没。著書に、本書『盲目と洞察』(1971年、第二版1983年)のほか、『読むことのアレゴリー』(1979年;岩波書店、2012年)、『ロマン主義のレトリック』(1984年;法政大学出版局、1998年)、『理論への抵抗』(1986年;国文社、1992年)、『戦時評論集 1934-1943年』(1988年)、『批評著作集 1953-1978年』(1989年)、『ロマン主義と現代批評』(1993年)、『美学イデオロギー』(1996年;平凡社、2005年)、『ポスト・ロマン主義の窮状』(2012年)。
以下は「目次」「原著(初版)の紹介文」です。