2017年10月15日

卒業論文 中間発表会  お知らせ

平成29(2017)年度 人間学分野 卒業論文中間発表会

[10/06確定]

本年度の人文学部心理・人間学主専攻プログラム人間学分野の卒業論文の中間発表会を、次の日程でおこないます。

 日時 10月 15日(日)12時から (開始時刻変更しました) 

   場所 総合教育研究棟 大会議室(D棟1階)

・卒業予定の4年生は、発表用のレジュメを45部用意して出席してください。 発表は5分以内、質疑応答含めた持ち時間は10分です。

・1、2、3年生の参加も歓迎します。とくに3年生は来年度にむけた準備になりますので、ふるって参加してください。

・卒業予定の4年生の不参加は原則認めていませんが、どうしても出席できない場合には10/8(日)までに卒論担当教員および江畑まで必ず連絡すること

・発表会のあとに、コンパを予定しています。是非参加ください。

心理・人間学主専攻プログラム人間学分野

2017年9月16日

第27回新潟哲学思想セミナーが開催されました。  NiiPhiS

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第27回新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)は、講師に東京大学から納富信留先生をお招きし、「ギリシア哲学の可能性」を主題として開催されました。今回は、今年3月に新潟大学を退官された栗原隆先生も講師として参加してくださいました。

栗原先生は「色と心--ヘーゲルによるゲーテの『色彩論』の受容をめぐって」という表題で、ゲーテの色彩研究がヘーゲルに与えた影響と、ヘーゲルが色彩論を『自然哲学』の圏域から『精神哲学』の圏域で論じるようになった背景についてお話してくださいました。

LZP9xh4n5o7UIpw1506377670_1506377827.jpgヘーゲルは、ゲーテから大きな思想的影響を受けており、色彩論もゲーテの影響を受けた思想のひとつでした。ゲーテは『色彩論』で色を白と黒、光と闇の対比の中から析出しようとしていました。対立する二つのものから新たなものへ至るという展開の発想はヘーゲルにとって受け入れやすいものだったのでしょう。

ヘーゲルは『自然哲学』において色彩について論及していましたが、やがて『精神哲学』において色彩論が展開されるようになりました。また、ヘーゲルは『美学』の文脈でも色彩を論じています。栗原先生は「色を自然現象として『自然哲学』において論ずるよりも、生き生きとした「心」を分析する『精神哲学』の「人間学」においてこそ、扱うべきだという思いを強くしたに違いない」という見方をされていました。

納富先生は「始まりを問う哲学史―複眼的ギリシア哲学史への試み」という表題でお話してくださいました。哲学史を論じるというのは「始まりを問い、テクストを扱い、場を明らかに示す」ことであると納富先生は主張されています。「始まり」を問い遡ることは、それが始まりをなすところの「全体」を掴むことにつながります。哲学史を研究するさいに扱うテクストは、過去の哲学者によって書かれたものですが、読み継がれることで「現在の」テクストとして論じられ、その哲学は現代にも生き続けます。また哲学史の研究を通じて、ある事項がどのような背景で問題化され考えられてきたかという歴史的な事項を知ることで、問題に正しくアプローチすることが可能となります。

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哲学はそのつど新たに始まるものですが、哲学という思索営為の総体は古代ギリシアで始まりました。そうすると、誰が最初の哲学者なのかということが問われます。しかし「最初の哲学者」とされる候補は少なくありません。そこで、納富先生は「複眼的」視野をもって哲学史をみることを提案しています。「始まり」をひとつに限定するのではなく、複数措定することで、多様な視点が生まれ、より豊かな見方ができるようになるのではないかと先生はお話ししてくださいました。

今回の先生方のお話を通じて、ある哲学や思想はただ一人の哲学者によって完結するものではなく、「始まり」から受け継がれてきた諸要素や同時代の他の思想家、社会状況などが影響しあって成立しているということを強く再認識させられ、哲学史の重要性を痛感いたしました。

最後に、今回のセミナーでご講演いただいた納富先生、栗原先生に感謝を申し上げ、第27回哲学思想セミナーの報告とさせていただきます。

[文責=新潟大学大学院現代社会文化研究科修士課程 佐藤夏樹]

2017年8月 7日

ギリシア哲学史の可能性  お知らせ

第27回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)第27回NiiPhiSポスター(最終版)-1.jpg

ギリシア哲学史の可能性 

講師 納富信留(東京大学教授)  


日時 2017年9月14日(木) 16:30~19:00
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス
   総合教育研究棟D棟1階大会議室

プログラム 

16:30~17:20 栗原隆(新潟大学) 色と心──ヘーゲルによるゲーテの「色彩論」の受容

17:30〜18:30 納富信留(東京大学) ギリシア哲学史の可能性

18:30~19:00 *延長の場合あり

   フリーディスカッション
   司会:宮﨑裕助(新潟大学)


古代ギリシア哲学を過去の思想としてではなく、生きた思索の場に生かすために、私たちはどう考えるべきか。プラトンやアリストテレスといった偉大な哲学者だけでなく、ギリシアの哲学を全体として捉える視野を「複眼的ギリシア哲学史」として提案したい(本発表は、5月20日の日本哲学会大会シンポジウムでの報告内容を発展させるものである)。


41T4HYD24PL.jpg第27回新潟哲学思想セミナーは、講師に納富信留氏をお迎えします。納富氏は、初期ギリシア哲学から、ソフィストの思潮とソクラテス、プラトンやアリストテレスらの古典期哲学までを主な研究対象とされています。そのなかで、どのようにして哲学が成立したのかを解き明かすことを研究テーマとされています。今回のセミナーでは、ギリシアの哲学を全体として捉えることで、哲学史研究の哲学的意義を新たに提示するといった内容で講演していただきます。多くのみなさまのご来場をお待ちしております。

 


◎ 講師プロフィール:納富信留(のうとみ・のぶる)1965年生まれ。東京大学文学部教授。東京大学大学院博士課程を経て、英国ケンブリッジ大学古典学部にてPh.D.を取得。専門は、西洋古代哲学、西洋古典学。古代ギリシアの知的潮流のなかで、いかにして哲学(フィロソフィア)が誕生したのかを明らかにすることを研究テーマとしている。国際プラトン学会(元会長)など、海外でも勢力的な研究活動を展開している。著書に『ソフィストと哲学者の間』(名古屋大学出版会、2002年)、『ソフィストとは誰か?』(ちくま学芸文庫、2015年)他。

◎ 新潟哲学思想セミナー(Niigata Philosophy Seminar:通称 NiiPhiS[ニーフィス])とは 
2009年に新潟大学を中心に立ちあがった公開セミナーです。新潟における知の交流の場となるよう、毎回、精力的にご活躍の講師をお招きして、哲学・思想にまつわる諸問題に積極的に取り組んでいきます。参加費、予約等は不要です。どなたでもご自由にご参加ください。

主催:新潟哲学思想セミナー
共催:新潟大学間主観的感性論研究推進センター/同 人文学部哲学・人間学研究会

お問い合せは宮﨑まで
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→ポスターはこちら

2017年7月20日

人間学合宿2017  イベントの記録

2017年7月8~9日、阿賀町の「ホテルみかわ」にて、人間学合宿が行われました。天候が心配されていましたが、幸い、快晴で絶好の行楽日和でした。また、両日とも宿の送迎バスで様々な所に立ち寄っていただき、阿賀町周辺の観光を楽しむことができました。 初日は大学を出発し、まずヤスダヨーグルト本社向かいの「Y&Y GARDEN」に行きました。暑さも相まって、アイスクリームを一層美味しくいただけました。

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また、多様な形の瓦が並ぶ「やすだ瓦ロード」と、平等寺薬師堂の「将軍杉」を回りました。この巨大な杉は天然記念物に指定され、パワースポットだそうです。

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そうして杉からパワーを享受した後、宿に到着すると早速、温泉で汗を流しました。夕食は海の幸、山の幸が使われたものを皆でいただきました。食後は大広間に移動し、レクリエーションが始まりました。恒例の読書クイズに加え、今年はお絵かきリレーとイントロクイズも行いました。ユニークな絵も飛び出す大波乱もありましたが、どのゲームも、皆がチームで知恵を出し合っての混戦模様となりました。1位のチームから順に、先生方と幹事より景品が贈られました。

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そのまま会場を移し懇親会へ。普段顔を合わせる機会の少ない学生や先生方も、話に花を咲かせていました。懇親会は夜中まで続き、少し飲み過ぎてしまうほど、大いに盛り上がりました。 そうして迎えた二日目は「狐の嫁入り屋敷」へ行き麒麟山を望み、去年オープンしたばかりの「奥阿賀グロッサリー combirie(コンビリー)」では、阿賀町の食材が使われたパンやアイスを楽しみました。

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最後に、道の駅阿賀の里にて昼食休憩を取り、全日程が終了し帰路につきました。帰りの車内では、旅の疲れから皆眠っていましたね。

今年も大変楽しい合宿になったのではないかと思います。参加いただいた皆さんをはじめ、準備からサポートしてくださった方、そしてどこまでも親切にしてくださったホテルみかわの皆様に、この場をお借りしてお礼申し上げます。

 [新潟大学人文学部人文学科 心理・人間学プログラム専攻4年 稲村 大悟]

2017年6月26日

第26回新潟哲学思想セミナーが開催されました。  イベントの記録

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第26回新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)は、講師に首都大学東京の西山雄二先生、一橋大学の阿部里加先生、椙山女学園大学の三浦隆宏先生をお招きして、「ポスト・トゥルース時代における「嘘の歴史」──アーレントとデリダから出発して」というテーマのもと、アーレント研究会と脱構築研究会の共催企画として開催されました。

2e5Sfv4N1_eKCEB1498657740_1498657748.jpeg西山先生は、御自身の日本語訳書であるジャック・デリダの『嘘の歴史 序説』について、入門というかたちで、とても分かりやすくお話しして下さいました。今回のお話では、主として、デリダによる嘘の考察、嘘の歴史性、デリダによるアーレントの読解について解説していただきました。デリダによる嘘の考察は非常に難解ですが、西山先生は、私たちの身の回りに存在する嘘、とりわけ、現在日本中で話題にされている加計問題や森友学園問題を例に挙げてお話しして下さいました。

阿部先生は、デリダによるアーレント批評が、アーレント研究史においてどのような役割を果たしてきたのかについてお話しして下さいました。今回のお話では、主として、アーレントによる「政治における嘘」の解説、デリダの嘘に関する主張、アーレントの嘘についての考察に対するデリダの批評、アイヒマン裁判に関するアーレントの考察について解説していただきました。また、阿部先生の、アーレントはその研究においてaction(活動)の部分ばかり取りあげられているが、それ以外の哲学も非常に重要であるという、これまでのアーレント研究に一石を投じるような主張がとても印象的でした。

18phUfNDksv5hbI1498416647_1498416655.jpg三浦先生は、嘘と政治、感覚(あるいは判断)というテーマに対して、アーレントとデリダがどのように考察していたのかについて解説して下さいました。このテーマに関して、両者がどこまで歩調を合わせ、どこから足並みが揃わなくなったのかについて解説されたあと、アーレントとデリダがカントの第三批判にともに着目したという指摘もされていました。また、三浦先生の「ヘイトスピーチはアーレント的には活動の一種だと言えるのか?」という問いは、登壇された先生方はもちろん、司会の宮﨑先生や会場の参加者も含め、議論をすることができました。その他にも、第二部の全体討議では、参加した学生などから、いくつも重要な指摘や質問が飛び交い、非常に充実したセミナーとなりました。

私たちは日々、嘘に囲まれながら生きています。それでは嘘とはいったい何なのでしょうか。間違いは嘘なのか、フィクションは嘘の枠組みに入るのか、相手を傷つけなければ嘘にはならないのか、このように嘘は私たちの身近にあるにもかかわらず、非常に不透明なもののように思えます。今回のセミナーでは、私たちにとって最も身近な概念である嘘に関して、その意味や歴史性について、アーレントとデリダの考察を交えながら深く考える貴重な機会となりました。最後になりましたが、今回のセミナーのために遠方からお越しいただいた、西山先生、阿部先生、三浦先生に感謝を申し上げ、拙文ではありますが、第26回新潟哲学思想セミナーの報告とさせていただきます。

[文責=新潟大学大学院現代社会文化研究科修士課程 田中宥多]

2017年6月23日

ポスト・トゥルース時代における「嘘の歴史」──アーレントとデリダから出発して  お知らせ

第26回 新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)
 アーレント研究会&脱構築研究会共催企画

ポスト・トゥルース時代における「嘘の歴史」

        ──アーレントとデリダから出発して


日時 2017年6月23日(金) 16:30~19:00
場所 新潟大学 五十嵐キャンパス 総合教育研究棟 D棟1階 大会議室

  *入場無料、事前予約不要。お気軽にご参加ください。

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第1部 16:30~17:55

西山雄二(首都大学東京)「デリダ『嘘の歴史 序説』の概要と問題提起」

阿部里加(一橋大学)「「嘘をつくこと」と「理解すること」──デリダとアーレントのアウグスティヌス解釈の違いを中心に」

三浦隆宏(椙山女学園大学)「嘘にとり憑かれた政治と〈感覚〉の狂い──デリダ、アーレント、カントの三叉路」

 

 第2部 18:10~19:00 *延長の場合あり
   全体討議&フリートーク
   司会:宮﨑裕助(新潟大学)


主催:新潟哲学思想セミナー(NiiPhiS)
共催:アーレント研究会、脱構築研究会


お問い合せは宮﨑まで


→ポスターはこちら

2017年5月29日

卒業論文構想発表会お疲れさまでした  イベントの記録

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2017年5月28日

卒業論文 構想発表会  お知らせ

平成29(2017)年度 人間学分野 卒業論文 構想発表会

本年度の人文学部心理・人間学主専攻プログラム人間学分野の卒業論文の構想発表会を、次の日程でおこないます。

 日時 5月 28日(日) 13:00から (18:00頃終了予定)  

   場所 総合教育研究棟 G415(G棟4階)

 卒業予定の4年生は、構想発表用のレジュメを開始5分前までに 40部(5/24変更しました) 用意して出席してください。 発表と質疑応答でひとり10分程度を予定しています。

・2、3年生の参加も歓迎します。特に3年生は来年度にむけた準備になりますので、ふるって参加してください。

・本年度卒業予定学生の不参加は原則認めていません。就職活動等の理由によりどうしても出席できない場合は、必ず卒論担当教員に承諾を得た上で個別に指導を受けてください。

・発表会のあとに、コンパを予定しています。是非参加してください。

心理・人間学主専攻プログラム人間学分野(2017.4.13掲載)

2017年4月 4日

『知のトポス』第12号刊行  知のトポス

 新潟大学大学院現代社会文化研究科共同研究プロジェクト「世界の視点をめぐる思想史的研究」の一環として公刊された『知のトポス』最新号をご紹介します。

『知のトポス』第12号(2017年3月刊、全136頁)

G・W・F・ヘーゲル「「精神の哲学」についての講義(ベルリン、一八二五年夏学期)」栗原隆・高畑菜子・宮川真美訳

ゲルハルト・クリューガー「カントの批判における哲学と道徳(三)」宮村悠介訳 ⇒[PDF

フランソワーズ・ダステュール「差異の問い──デリダとハイデガー」宮﨑裕助・松田智裕訳 ⇒[PDF




2017年3月24日

ご卒業、おめでとうございます。  イベントの記録

3月23日に、卒業式ならびに卒業祝賀会が行なわれました。卒業生の皆さん、おめでとうございます。

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朱鷺メッセでの卒業式につづき、新潟グランドホテルでの人文学部の卒業祝賀会、さらには場所を「葱ぼうず」に移して謝恩会が行なわれました。

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卒業生の皆さん、新天地でもお元気でご活躍ください。また会える日を楽しみにしています。

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